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フィルタリング

2016年05月31日
インターネット上の有害な情報からの青少年を守る為に性的、反社会的な情報等が含まれたサイトを選別し、閲覧できないようにするサービスをフィルタリングと言います。
フィルタリングは日本語で、「選別」「ろ過」などの意味があります。フィルタリングを設定することにより、未成年に悪影響を及ばす、アダルト、薬物、出会い、ギャンブル、グロテスク、自殺などの有害サイトをブロックして閲覧できなくすることが出来ます。子どもを犯罪や性被害や架空請求などから守るためにもフィルタリングは必要なのです。

「お小遣いアプリ」はスマホにダウンロードして、開くと表示されているゲームアプリや、アンケートの回答などを利用することでポイントが貯まり、そして貯まったポイントを「現金」や「ウェブマネー」「ギフト券」「マイル」などの様々ものに交換することが可能なサービスなのです。しかし1回でもらえるポイントが少なく、時間もかかり飽きてしまうので中高生にはあまり浸透しませんでした。LINEのオリジナルスタンプを作ってお小遣い稼ぎをしようとする未成年もいましたが、審査に合格しなければ発売できず、素人とプロでは明らかに差があり、専門知識がない中高生がスタンプでお小遣いを稼ぐのはハードルが高すぎました。2012年に写真袋が出来てから、一度に沢山の画像や動画を共有できるということで、中高生を中心に人気が出ました。今までにメールで送れなかった大きなサイズの写真や動画も写真カプセルを使えば簡単に共有できる利点を生かし、過激な画像や動画でお小遣い稼ぐ未成年が増え始めました。

「SNSを利用して同じ趣味の人と意気投合して盛り上がった」「不登校の友達がいない内気な子がネットで初めて本音で話せる相手が出来て学校に通うようになった」「聴覚障害の子がネットの世界で沢山の理解者が出来て前向きになった」と言う報告もありますが、ネットの中には純粋な子どもの心に付け込む犯罪者がいることも忘れてはいけません。
LINE人気に便乗してネット上には、LINE友達募集掲示板が乱立しています。
友達や彼氏、彼女が欲しい子どもたちは、LINE掲示板で気軽に出会いを求めてしまいます。
LINEの会社とは全く別の業者が運営していますが、IDがわかれば簡単に連絡を取ることが出来てしまいます。まだ判断能力がない子どもたちは、地域、性別、年齢を指定して登録するので、相手を信じてしまいがちです。犯罪者の多くは、年齢や性別を偽って未成年に近付いてくるのです。その他にも、フェイスブックやツイッターなどのSNSやゲームサイトでも面識がない人と簡単にやり取りすることが出来てしまいます。近くにいる利用者が男女別に地図上のアイコンで示され、クリックすると写真やプロフィールが表示されるGPS機能を使った友達募集サイトもあります。内気で寂しがり屋の人は現実社会で友達を作りたくてもなかなか友達を作ることが出来ずに、ネット社会での出会いを求めてしまうようです。ネット社会で意気投合するとネットの中だけでは満足できずに出会いを求めてしまうのです。

教師は生徒のお手本になるべき存在です。学校外でもモラルを守った行動を心がけなければなりません。歩きながら、車を運動しながら、スマホを操作するなど教師失格です。ネットで知り合った未成年と性行為をするなどあり得ない行為で逮捕された教師もいます。大学の頃に作ったフェイスブックやTwitterも生徒や保護者が見ている可能性があります。悪ふざけ画像や、感情的になった書き込みをしていた場合、アッという間に信頼をなくします。また、職員会議の内容をTwitterでつぶやいたり、生徒と保護者の了承なしで、学校祭や修学旅行で生徒が映った画像をアップするなど問題を起こす教師もいます。また、地域活性化の為に忘年会などは地元で行うことも多いと思いますが、酔っぱらって醜態をさらしているところを地域住民に動画撮影されYouTubeにアップされた教師もいます。学校名で検索するとその醜態が1ページ目の1番目にヒットしてしまい生徒募集に影響が出た学校もあるのです。生徒に指導する立場の教師が、まず本気でネットモラルについて考え、教師同士で勉強会を開く事が大切です。

情報モラル教育

2016年05月27日
学校で抱えている問題や児童の学年ごとの実態に応じた教育を日常的に取り入れていく必要があります。これらは、学校の教育活動全体で取り組むべきものですが、道徳の時間においても同様に、情報モラルに関する指導に配慮していかなくてはなりません。指導に際しては、眼の前の児童・生徒の実態を念頭におき、情報モラルにかかわる題材を生かして話し合いを深めたり、コンピュータによる疑似体験を授業の一部に取り入れたり、児童の生活体験の中の情報モラルにかかわる体験を想起させたりする工夫などが考えられます。LINEでの会話と顔を合わせての会話との違いを理解し、LINEなどが相手に与える影響について考えるなど、インターネット等に起因する心のすれ違いなどを題材とした指導や悪質投稿がいかに周りに迷惑をかけ、自分自身の人生を狂わすかを実際の事例をもとに子どもたちに話し合わせ、作文を書かせる等が考えられます。

子どもたちを取り巻くネット環境は毎年大きく変わっています。教師が子どもに教えるということは無理であり、子どもと一緒に考えていくスタンスでなければなりません。教師はネット社会に生きる子どもたちに、情報メディアの真偽を読み解いて必要な情報を活用する能力を身につけさせる必要があります。児童は、学年があがるにつれて、次第にネットを日常的に用いるようになります。

情報化の影の部分

2016年05月25日
スマホの普及により、どこにいても友達と連絡が取れ、スマホひとつで勉強もできる時代になりました。今までに得られなかった情報も瞬時に得ることができ、趣味が広がったり、活動の範囲が広がるなど子どもたちへ良い影響もありますが、ネットを通して子どもたちが犯罪に巻き込まれたり、いじめの被害者にも加害者にもなりやすい環境になったということも忘れてはいけません。スマホを操作しながら食事をする子どもが増え始め、家族での会話も減っていると言われています。祖父母との同居も減り、兄弟姉妹がいない一人っ子も増えています。地域社会とのつながりも減り、現代の子どもには、思いやりの気持ちや人間関係をつくる力が減っているように思われます。子どもたちは、スマホの普及により、ネット社会につながりを求めるようになりました。また思いやりの欠如やモラルの欠如からネットでトラブルを起こす子どもが増えていると言えます。スマホの普及により、情報の収集や表現、発信などが容易にできるようになりましたが、情報化の影の部分が深刻な社会問題になっています。

スマホに関する知識が豊富な子どもに教えるには、絵に描いた餅では通用しません。実態をしっかりと理解した上で教育の専門家として子どもたちに指導していかなければなりません。フィルタリングについてもしっかりとした認識を持っている教師や保護者が少ないのにも驚きます。LINEが出来なくなるという理由で、フィルタリングを外している子どもが多いですが、実は、2015年3月末にEMA認定を受け、フィルタリングをしてもLINEができるように変わっているのです。子どもを納得させるには大人がまず正しい知識を持たなければなりません。

情報モラル教育

2016年05月23日
子どもたちのスマホ使用の実態は日々変化しており、大人が常に情報をつかみ理解するのは難しいといえます。子どもに教える立場にある教師は、子どもが巻き込まれている現状を理解する為に、専門的に子どもたちのネット事情を学ぶことが必要不可欠です。現状では子どもに教えてもらうのが一番有効な方法だと言えます。情報モラルの専門家と呼ばれる方々の多くは、パソコンの専門家であり、子どもがハマっているスマホとは異なるものです。この分野での指導経験を持つ教師は少ないので、教師が生徒から教えてもらい、教師自身もスマホを利用し、日々新しい情報に目を光らす必要があります。

ネットに起因する犯罪が繰り返し報道され、各学校でもしっかりと指導しているはずですが、関東のある中学校の調査では、女子中学生の8割がネットで知り合った友達がいると回答し、その中の3割が実際にネットで知り合った人と会ったと回答していました。この結果からも、メディアや学校が子どもたちに向けて発信していることが、子どもたちに伝わっていないと言えるでしょう。2013年には、ネットに自分の愚行を投稿し、「炎上」してしまう問題が多発しました。店舗の冷蔵庫に入った画像や線路に降りて寝転がっている画像、パトカーの上に乗っている画像などが、マスコミで何度も放映されました。Twitterで行われる愚行なので、「バカッター」と呼ばれるようになり社会問題となりました。現在は、一時期よりも問題画像を投稿する子は減っています。しかし、未だに煙草を吸っている画像やお酒を飲んでいる画像を誇らしげにネットに投稿する中高生もいます。また、キスをしている画像をネットに投稿する中高生も多いですが、明らかにモラルに欠ける子だと思われてしまうでしょう。

ブロガー叩きも、SNSいじめも、人間が存在する限り無くなりません。ネットを利用する子どもたちには、正しい書き込みをしても、批判したり、悪口を言う人もいるということを教えていかなければなりません。自分の発信する情報、意見に絶対的な自信を持っていれば、叩かれても余裕を持つように指導していきましょう。ネットに書き込みをするのには強い意志が必要だということも教育していかなければなりません。叩かれてもへこまない強さを子どもたちに持たせることも必要なのです。人は自分の名前や身元が人に知られない場合、罰せられない場合、乱暴になりやすいと、心理学の実験結果が出ています。現実では、罰を受ける可能性がある。殴られる可能性がある。仕返しされる可能性がある。と人は恐れます。しかし、インターネットの世界では、身元を明かさなくとも書き込みができてしまうため、誹謗中傷・反論・批判を生みやすい環境を作っているのです。万引き自慢や悪ふざけ動画を載せた人に対して正義感が強いが勇気が無く人に面と向かって注意できない人や現実の世界で自分の存在意義を見出せない人は、そのような画像を載せたりした人に対してひどい言葉を書いたりします。自分の意見がすべて正しいと考え、自分の考えと違う人はすべて悪と判断し、とにかく激しく攻撃したくなってしまう事もあるようです。誹謗中傷はしてはいけないことです。自己防衛の為に反論する場合でも、言われる側の人間が傷つく言葉は避けなければなりません。文字だけの世界ですので、思わぬことからトラブルになることが予想されます。自分の意志とはまったく違う解釈をされる場合もあるのです。文字のやり取りの場合、誤解が生じやすいので、誹謗・中傷・反論・批判が飛び交い炎上につながることもあるのです。

2014年7月
●岐阜駅爆破予告、高2を書類送検「ツイッターで有名になりたかった。フォロワー(読者)を増やしたかった」。
2014年5月
●「僕だってのこぎりで人傷つけて回りたい」「明日授業中人を殺すことを考えている」などと投稿、茨城県警に大学周辺などを警備させ、業務を妨害した疑いで大学2年の男子学生逮捕
2014年2月
●アイドルグループ「仮面女子」「アリス十番」のメンバー・立花あんなさんに対し、Twitterで殺人をほのめかす書き込みを繰り返して33才会社員逮捕。

自分と違う価値基準の人を叩いて、正義だと思いこんでいる人もいます。
集団の中に一人価値基準が違う人が存在すると、一斉に叩くケースも存在します。これが、LINE等で見るSNSいじめや、炎上につながります。
また、家族の不和やいじめによるストレスから攻撃的な書き込みをする子もいます。ネットでの誹謗中傷の書き込みで、検挙された人たちは、ストレス解消をするためと答えるケースが大半です。愛されたい相手から、相手にされなかったり振られたりすると、その相手に対してネットで誹謗中傷を書くケースもあります。私たちの脳は、主語が理解できないので、自分が書いた言葉すべてを、自分のこととして捉えます。他者に対して誹謗中傷を書くと、脳の中では、自分自身が誹謗中傷されたのと同じ状態になるのです。Twitterにつぶやいた言葉を一番、目にしているのは自分自身です。他人に向けていると同時に、自分に向けていることになるからです。否定的な言葉は、自分が言っても、他の人が言うのを聞いても、脳に悪い影響しか与えません。「バカ」「死ね」などとつぶやくことは、ストレス発散をしているようですが、すべて自分につぶやいてる言葉と脳は認識してしまうので余計ストレスが溜まってしまい良い方向にはいきません。子どもたちには、日ごろから、前向きな言葉を投稿するように心がけさせることが大切です。「プラスの言葉」は「考え方」をプラスに変え、「行動」をプラスに変え、そして「結果」をプラスに変えていきます。

自分と違う価値基準の人を叩いて、正義だと思いこんでいる人もいます。
集団の中に一人価値基準が違う人が存在すると、一斉に叩くケースも存在します。これが、LINE等で見るSNSいじめや、炎上につながります。
また、家族の不和やいじめによるストレスから攻撃的な書き込みをする子もいます。ネットでの誹謗中傷の書き込みで、検挙された人たちは、ストレス解消をするためと答えるケースが大半です。愛されたい相手から、相手にされなかったり振られたりすると、その相手に対してネットで誹謗中傷を書くケースもあります。私たちの脳は、主語が理解できないので、自分が書いた言葉すべてを、自分のこととして捉えます。他者に対して誹謗中傷を書くと、脳の中では、自分自身が誹謗中傷されたのと同じ状態になるのです。Twitterにつぶやいた言葉を一番、目にしているのは自分自身です。他人に向けていると同時に、自分に向けていることになるからです。否定的な言葉は、自分が言っても、他の人が言うのを聞いても、脳に悪い影響しか与えません。「バカ」「死ね」などとつぶやくことは、ストレス発散をしているようですが、すべて自分につぶやいてる言葉と脳は認識してしまうので余計ストレスが溜まってしまい良い方向にはいきません。子どもたちには、日ごろから、前向きな言葉を投稿するように心がけさせることが大切です。「プラスの言葉」は「考え方」をプラスに変え、「行動」をプラスに変え、そして「結果」をプラスに変えていきます。

自分の書き込みを否定されたり、攻撃をされると当然腹がたつはずです。その怒りの気持ちをまたつぶやくと、それを見た人が、また、攻撃的な発言をしてきて、延々と繰り返されます。ネットは陰口の世界です。面と向かって言えないストレスをネットに書き込むのです。自分に自信がないから、自分を優位に立たせたい、自分を立派に見せたい、正当化したいという気持ちが他者への攻撃へと移ることがあります。人を悪者にして自分は正しいと主張してきます。ネットなどで、誹謗中傷している人は、自分自身に自信がないので、自分が誹謗中傷されるのが怖く、自分のことを公開しません。匿名なので無責任発言を繰り返してしまうのです。また、他者への妬みから誹謗中傷を書く人もいます。また、自分の無知や思い込み、先入観から誹謗中傷を書く人もいます。

Twitterは、文字だけではなく、位置情報や画像、動画までも載せることが出来ます。インターネット上で発言をするということは、全世界の誰でも見ることができ、それが、記録として残ってしまうということなのです。インターネットとは個人の空間ではないということを子どもたちには、自覚させなければなりません。パスワードを設けても破られる可能性があります。
また、フォロアーの中の誰かに悪質な書き込みや画像が広められることもあるのです。自分が思ったことはなんでも書いていいわけではありません。実際の人間関係でも思ったことを、何でも口に出してしまうと必ず人間関係にヒビが入ってしまいます。つぶやいた一言は誰が見るかわかりません。不用意な一言をつぶやいたことにより、将来に影響がでることもあるのです。

ネット上で人を批判したり、悪口ばかりを書く人もいます。その行為を理解したり共感することは難しいですが、そういった人もいるということを認識しなければなりません。批判されたり、悪口を書かれると、腹が立つので、反論したり、言い返してしまいがちですが、おそらく、反論したり言い返すほど泥沼化し炎上してしまいます。
子どもたちのTwitterへの何気ない投稿にも、誹謗中傷が集まりやすいものです。
身近な人であれば、議論をしてわかってもらうことも可能ですが、文字の制限もあるうえに、対面で話すのとは違い本当の思いを伝えることは難しく、更に誤解を招くことにもなりかねません。一度、そのやり取りから距離を置いてみて、冷静な対応を検討してみることも大切です。返信をしない、ということも一つの対応です。

悪質投稿を繰り返す子どもは、普段は周りから相手にされなかったり、注目を浴びたいと言う心理があります。自分の悪質投稿がテレビで放送されると英雄になったと錯覚を起こすのです。YouTubeで再生回数が非常に高い、『ユーチューバー』と呼ばれる人気投稿者になりたいと思っている子も多いようです。自分の影響力を世の中に出すための手段として使い、動画の広告再生から得られる収入などで、億単位のお金を稼ぐ投稿者もいます。そのためYouTubeで人気者になるために、過激な投稿をするのです。これは、かまってほしい、見てほしいという欲求の表れで、実生活では、仕事や勉強などで評価を受けていない人物が目立ちたいために過激な動画や犯罪動画を投稿する傾向があります。また何をやらかすかわからない子どもを面白がって金銭面で支援する大人もいるのです。

ゲーム依存克服

2016年05月14日
ゲームを提供する会社も、他社のゲームよりも自社のゲームで遊んで欲しいので、競い合いの中で、スマホのゲームは、刺激的で面白く進化しています。また様々な工夫を凝らし、遊び始めた子どもたちが簡単にやめることが出来ないように工夫しています。状況判断が出来るようになってきた高校生でもはまってしまいます。大切な子ども時代を、ゲームに翻弄され、友達との人間関係が作れずコミュニケーション能力が育たないのは、将来的に取り返しがつかないことになります。ゲームの面白さを覚えた子は小学校入学前の子でも、暇になると親に「ゲームしていい?」と聞いてきます。小学校入学前の子にゲーム機を与えて、一人にしておく時間が長くなると間違えなくゲーム依存になってしまいます。最近は、電車、バス、ファミレス、ファーストフード店など、どこへ行っても大多数の人のスマホに視線を向けている光景があります。必死の表情で手を動かしてゲームに興じている人も少なくありません。一度ハマるとなかなか抜け出せないスマホゲーム。運営会社側もさまざまな策を講じてユーザを手放さないような工夫をしており、「子どもが家にいる間、ずっとゲームをして困っている」との相談も増えています。これは、「ヘドニック・トレッドミル現象」です。ヘドニック・トレッドミル現象とは、幸せ感が薄れて、さらに欲望が増すことです。「収入が増えれば気分が高まりますが、次いで願望も高まります。これまでよりも大きな家を買っても、周りの人が自分より金持ちなら、もっとお金が欲しくなります。スマホゲームでも、クリアしたり高得点を取ったりすれば喜びが得られます。そのときはそれで終わりでも、またその喜びを味わいたい。高得点を取りたい。と再びチャレンジします。レベルが上ったり、最高得点を更新したりするたびに幸福感は増しますが、長くは続かず、またその興奮を得るためにゲームをしたくなるのです。スマホゲームから抜け出すためには、現実社会で打ち込めるものをひとつ作ることです。また、スマホゲームに依存したことにより何が得られたかを冷静に考え直し、失ったもののほうがはるかに大きいことを自覚させなければなりません。また、失ったものを、すべて紙に書き出し冷静に見直すことも大切です。

スマホ依存の親

2016年05月13日
ネット依存外来を持つ成城墨岡クリニックによると、2007年から2013年の7年間で初診患者数は81人から285人と3.5倍に増えているとのことです。患者は10代~20代の若年齢層が中心で、平均年齢は17.8歳。患者は1日10~11時間ほどスマホを操作しているとのことです。ネット上で知り合う見知らぬ相手とやり取りすることについて、依存傾向が高い子どもの方が「いろいろな人と知り合うのは楽しい」(40.6%)と肯定的な意識を持っており、「ネットで知り合った相手と実際に会った」(15.5%)子どもも多いとのことでした。スマホ依存になる子どもは、部活や勉強など熱中できるものがなく、家庭でも親子のコミュニケーションがうまくいっていないと言えます。小中学生からは、「お母さんが友達とLINEばかりしていて、話を聞いてくれない」「私には買ってくれないのにお母さんはスマホのゲームでずっと遊んでいる」「お母さんは、ツイッターばかりしてスマホをトイレの中にも持ち込んでいる」という話をよく耳にします。保護者が子どもの利用に無関心な場合はもちろん、保護者自身が、はまっていても、やはり子どもはスマホ依存になりやすくなります。子どもは保護者の様子をよく見ています。子どものお手本になるべき大人がこれでは、子どもに何を言っても効き目がありません。保護者も日ごろの生活を見つめ直す必要があります。

スマホに依存している子どもには、コミュニケーション能力の低下は大きな問題です。コミュニケーション能力とは、顔の表情や声のトーン、身振り手振りなどを通して、自分の言葉で相手に伝え、また相手の気持ちを読み取る能力です。LINEやネット上でのやり取りでは、相手の表情や反応が読み取れません。ネットに依存している子どもは、コミュニケーション能力を身につけるのが難しいと言えます。短い文面では、誤解も生じて、真意が伝わりません。最近の子どもは会話をめんどくさがり、LINEで済ませてしまう傾向があります。将来就職する上で、多くの企業がコミュニケーション能力が高い人材を求めています。私たちの社会は進化し続けても人と人との実際の関わりがなければ成り立たないのです。私たちが生きているのはバーチャルな世界ではありません。子どもたちには、現実世界で通用するコミュニケーション能力を身に付けさせることが必要なのです。スマホの普及により、スマホ依存になる子どもが増えています。保護者からの相談も、「子どもが家にいる間中スマホでLINEを使っている」「スマホを持たせたら、はまりすぎて成績が下がった」というものが目立ちます。スマホ依存は、大人も巻き込んだ大きな問題となっているのです。

スマホは、非常に便利な道具です。しかし、使い方を誤ると日常生活に支障が出たり、友人関係のトラブルや犯罪に巻き込まれたりする危険性もあります。本人にはそのつもりがないのに自分が誰かを攻撃してしまうなどの加害者になる危険性もあります。歩きながら、自転車に乗りながらスマホを操作して事故にあったり、人に怪我をさせてしまうケースも増えています。「ネットいじめ」「LINEいじめ」「プライバシーの流出」、「架空請求詐欺」「高額請求」などの被害にあう子も増えています。また、ネットで知らない人と会い、性被害にあったり、脅されるケースもあります。タブレットやゲーム機、音楽プレイヤーでも同様のトラブルが発生しています。これらの機器が、インターネットに接続できるという認識を持っている保護者が少なく、フィルタリングを設定せずに子どもに使わせているのです。被害の低年齢化が進んでいるのは、このためです。

親のスマホやタブレットを使ってYouTubeを見ている子も増えています。YouTubeにはゲームの解説をしている動画が沢山あり、子どもから人気があるユーチューバー(You Tubeを利用して動画コンテンツをアップロードしてビジネスを実践するクリエイターのこと)達がたくさんそのような動画をアップしています。その動画解説を見てスマホが欲しくなる子も増えています。

ゲームは子どものコミュニケーション能力や社交能力の低下につながり、感情をコントロールできないなど深刻な事態を招くこともあります。また、睡眠時間が不足すると、ストレスがたまりやすくなり、チック症状や抑うつ状態になることもあります。 2014年の文部科学省の調査で、小中学校の不登校が12万人と6年ぶりに増えました。不登校のきっかけを調査したところ、複数回答で34%が「生活のリズムの乱れ(睡眠障害)」をあげていました。スマホが子どもの睡眠や脳の休息にとってよいはずがありません。睡眠は脳の疲労を回復させるのに必要です。十分に睡眠がとれない子どもは、前頭葉や海馬の発達に影響が出ると言われています。前頭葉は脳の司令塔です。前頭葉は社会性や理性を司っているため、この働きが悪くなると反社会的な性格傾向になることがあります。海馬は長期記憶(神経回路)をつくる為の役割を果たす器官なので、当然、記憶力低下につながります。
子どもはスマホを通してゲームの中の暴力やSNSでのネットいじめにさらされることがあります。こうした環境によって子どもは暴力に対して鈍感になり、問題が起きたときに暴力的な言動に出ることは普通のことだと考えるようになってしまいます。

教師や保護者は、日ごろから顔を合わせての会話の大切さを教えていかなければなりません。また、未成年に問題投稿などをさせないためには、情報モラル教育も、ホームルームなどの日常の会話の中でも行われることが必要です。不登校やいじめにあった子どもがSNSやゲームに夢中になり、抜け出せなくなることもあります。問題を抱えた子がSNSにハマる理由は共感してくれる相手を求めているからです。擬似恋愛ゲームの彼氏に夢中になり、夜、寝ようとしても「まだ寝るなよ」と言われ朝までやり取りを繰り返し不登校になった女子中学生もいました。子どもがネットやゲームに夢中になる原因は現実逃避です。ネットやゲームをしているときは、学校のことも、家族のことも忘れることができると言います。部活に打ち込んでいたり、勉強を頑張っていたり、現実生活が充実している子どもはネット依存やゲーム依存にはなりません。不登校になっている子どもがネットやゲームに依存してしまうのは、現実では面白いことがなく、ネットやゲームに夢中になっていたほうが余計なことを考えなくてもいいからなのです。ネット依存やゲーム依存から子どもを救うには、子どもが悩みを打ち明けられる環境をつくることが大切です。親の表情が和やかだと子どもは落ち着きます。リビングが居心地のよい場所にすることも大切です。しっかりと子どもの気持ちを受け止めネットやゲーム以外の居場所を作ってください。スマホでのつながりは、本当のつながりとは違います。子どもたちには本当の人と人とのつながりの大切さを保護者も教師も教えていかなければなりません。スマホが子どもたちの遊びの世界に深く入りこんできたことで、子どもは今や数えきれないほどのさまざまな刺激的なゲームがいつでも出来る環境にあります。

ツールの普及が親子間の会話の減少をもたらし、子どもの現状がわからなくなるという悪循環が起こっています。保護者は、とにかく子どもと会話をする時間を毎日設けるべきです。なにげないコミュニケーションの中から子どもたちは、やっていいことと悪いことの分別を学んでいくものです。ネットいじめに関しても、LINEなどの閉ざされた空間で行われているのが現状です。LINEなどでトラブルが起こった場合は、LINEの中で解決をしようとするのではなく、直接会って顔を合わせて会話をすることが必要です。

幼少時から24時間インターネットを利用できる環境にある子どもは、会話をする感覚で文字を入力することができるので、安易に不用意な投稿をしてしまう子が多いと言えます。その投稿が炎上事件につながってしまうのです。更に、SNSアプリの増加やカメラアプリの急速な進化により、撮影・加工・投稿までがカメラアプリで簡単にでき撮影して投稿するのも数分でできるようになってから悪ふざけ動画やモラルに欠ける画像の投稿が目立つようになりました。Twitter投稿が炎上すると、インターネット上のいたるところに拡散され、個人情報が特定されてしまうこともあります。

「インターネット上の犯罪・違法行為の認識」についての調査では、「インターネット上の書き込み・投稿の罰則の認識」では、親50.4%、子ども53.7%。女子高校生は35.9%、女子中学生は64.1%という高い割合で「知らない」と回答しています。また、女子高校生の約半数が「違法行為の仲間を募集する」「法令違反になることを強要する」「商標の無断転引用」などを違法行為と認識しておらず、女子中学生の40.5%が「他人を自殺に追い込むと捕まる」ことを認知していないとのことでした。2014年3月にデジタルアーツ株式会社が実施したスマホ使用実態調査によると、ネット上の友達と実際に会いたい、もしくは、会ったことがあると回答したのは、未成年者全体で38.5%、男子小学生で24.4%、女子小学生で25.0%、女子高校生は56.6%という高い割合でした。これまでは、ネットいじめやネットを通して犯罪に巻き込まれる子どもは、ごく一部の子どもだけの問題だと思われていましたが、誰にでも起こりうることだと考えなければならない時代なのです。スマホは便利な道具ですが、使い方次第でプラスにもマイナスにもなります。

親も自分の子だけがスマホを持っていないと、仲間はずれにされるのでは?と考えてしまい、子どもに買い与えてしまうケースもあります。子どもは、クラスの中で2~3人しか持っていなくても、スマホを買ってもらうために、皆が持っていると大げさに言ってしまうものです。保護者は、子どもの話を鵜呑みにするのではなく他の親からも話を聞いてから購入するかどうかを考えなければなりません。

SNSやLINEにはまる子

2016年05月03日
SNSやLINEにはまる子も多く、スマホがなければ落ち着かないという依存傾向にある子も増えています。また、スマホの利用時間が長くなるほど、成績が悪くなるという調査結果を文部科学省も発表しています。スマホ以外にも、日頃、子どもたちが遊んでいるゲーム機や音楽プレイヤー、タブレット、プレステ等、インターネットに接続できるものが子どもたちの身の周りに沢山あるため、親に内緒でSNSを利用して、知らない人と出会ったり、犯罪に巻き込まれるケースも増えています。未成年をネット被害から守るために、警察では、2013年10月からサイバー補導を実施しています。サイバー補導とは、出会い系サイトやSNSに一般人のふりをして警察官が入りこみ、援助交際を希望する子どもと実際に会い補導するというものです。デジタルアーツ株式会社が2015年7月に実施した調査によると、高校生の99%がスマホを所有しているという驚くべき結果が出ています。(小学校高学年40.8%、中学生が62.1%)小学生でも、クラスの数人がスマホを持っていると、自分も欲しくなり、親に「クラスのみんながスマホを持っているので買ってほしい」とねだる子もいるようです。

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