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日本の児童・生徒の自殺問題

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日本の児童・生徒の自殺

文部科学省の調査によると2017年4月1日から2018年3月31日に自殺した児童・生徒は250人と1986年以降、最多となった。
自殺の原因
1.進路問題33人
2.家庭内不和31人
3.いじめ10人

ただし、遺書などが残されてないために、自殺理由がわからない児童・生徒が140人いた。
年齢的には15歳から18歳までの年齢層が多く、2015年の内閣府の調査によると
1972年~2013年の42年間、19歳未満の自殺日を調査した結果、9月1日(夏休み明け)の自殺者数が131人と突出していた。

2015.9.4 ダイヤモンドオンライン

夏休み明けが危ない!
LINEいじめに疲弊する子どもたち
ネットいじめの相談にのっている安川雅史さんに聞く

内閣府の「自殺対策白書」で、夏休み明け前後に子どもの自殺が急増するというデータが明らかになった。なぜこの時期なのか。現代の子ども特有のネットいじめ事情について、安川雅史・一般社団法人全国ICTカウンセラー協会代表理事に話を聞いた。
(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)



1日中LINEにハマる
夏休みに潜む罠

――夏休み明けとなる9月1日前後に、子どもの自殺が急増するというデータが出ました。夏休み中に、一体何が起きているのでしょうか?

 現代の子どもたちの人間関係には、インターネットが欠かせないツールになっています。LINEやTwitterといったSNSはもちろん、オンラインゲームの依存症状態になっている子どもたちがたくさんいます。中学生や高校生になれば、自分のスマートフォンを持つ子が増えますし、小学生であっても、親が音楽を聞くために買い与えたiPod touchでLINEを始めたりします。
 子どもたちはLINEでグループを作り、その中でコミュニケーションします。実際に会話するようなスピードで、文字をやり取りするのです。そして、ちょっとした言葉の行き違いなどがきっかけで、グループから退会させられたり、裏グループができて、そこに入れてもらえないなどのいじめが勃発するのです。今のいじめの風潮は、1対1ではなく、1対集団です。
 授業や部活があれば、その間LINEはできません。しかし、夏休みというのは自由な時間ですから、1日中LINEをやってしまう、というような状況に陥りがちです。「グループの会話にいつも入っていないと仲間外れにされる」と恐れるあまりに、「家族旅行で海外に行く計画があるけれど、飛行機の中でLINEができないから嫌だ」とか、「映画も見に行きたくない」という子どももいます。
 夫婦であっても、四六時中一緒にいれば、欠点が気になってイラっとしたりしますよね。子どもも同じで、毎日ずっとLINEでつながっていれば、些細なことでイライラしてきます。また、相手の顔が見えない文字だけの会話ですから、行き違いが起きやすい。

恐ろしいネットいじめの実態
大人でも簡単に追いつめられる
――実際のいじめの内容は、親の世代とどう違うのでしょうか?


 ネットでは、文字だけが飛び交います。リアルに相手を見ていれば、理性で歯止めが効くものですが、それがないので、どうしてもエスカレートしがちです。奈良県で2013年に自殺した中1の女子生徒のケースでは、LINEに「KY(空気が読めない)でうざい」「消えて」などと書き込まれ、亡くなった後も「お通夜NOW」などというやり取りがなされていました。
 さらに堪えるのは、Twitterです。なぜなら、LINEはクローズドですが、Twitterは不特定多数の人に見られてしまう。それは、自分への悪口が、全世界に向けて発信され、たくさんの人の目にさらされるということなのです。
 そして、文字は残ります。どんなにかわいい顔立ちの女の子でも、「ブス」と言われ続ければ、「本当に私は不細工なんだ」と思い詰めるものです。これは脳が誤作動を起こす、洗脳状態なのです。
 また、リベンジポルノに代表されるような、裸の写真をばらまかれる被害も多い。さらに、これはいじめなのですが、自分の顔写真と、ほかの女性の裸の写真を合成したものをLINEで公開され、それが出回ってしまって学校に行けなくなったというケースもありました。
――子どもでなくとも、大人であっても辛いですね。
 そうです。実際、韓国では芸能人がネットでの誹謗中傷を苦にして自殺をしたりしていますよね。日本でも、お笑いタレントのスマイリーキクチさんが、女子高生コンクリート殺人事件の犯人の1人だというデマを10年以上にわたってネットで流され、ずいぶん苦しめられたと告白しています。
 子ども同士のやり取りなのだから、と甘く見ない方がいい。ネットいじめは、大人であっても、死にたくなるくらいの精神的ダメージを受けてしまうものなのです。そして、今やLINEなどのネットいじめが起きていない学校など、ありません。他人事ではないのです。
 LINEにはまりやすいのは女の子ですが、男の子の場合はオンラインゲームにはまりやすいですね。こちらもネットの向こうに対戦相手がいます。多くは見知らぬ他人ですが、みんなでクリアしていくゲームなので「1人抜けたら迷惑がかかる」という状況になりがちです。そうして昼夜逆転の生活となり、夏休み明けに学校に行けない、という子どもがたくさんいます。

「ダメ」では決して解決しない
求められる親のスタンスとは
――こうした兆候をいち早く発見し、子どもがバランスを崩すのを未然に防ぐには、親はどうしたらいいのでしょうか?

 自身がSNSやゲームをやらない親ほど「そんなことは止めなさい」と、頭ごなしに禁止する傾向にありますが、これは逆効果です。LINEやオンラインゲームに過度にのめり込むのは、リストカットと同じように、一種の依存症です。何か、根本の問題があるのに、それを解決しないまま依存だけを禁止すれば、本人は余計に辛くなってしまいます。依存は確かに良い状態ではありませんが、本人からすれば、何かに依存をすることで、心のバランスを取っているのですから。
 また、「LINEでいじめられている」と子どもが打ち明けたときに、「止めてしまえばいい」と言ってしまえば、子どもはさらに追いつめられます。そもそも、子どもが困りごとを親に打ち明けるときは、すでに本人は切羽詰まっているという状態です。子どもは親に好かれたいし、「いい子だ」と思われたいですから、多少のことは相談しないものなのです。
 まずは否定や禁止をせずに、子どもの話をちゃんと聞く。これが大原則です。さらに大切なのは、「親との関係性が子どもにとって満たされるものだろうか」と自問していただくことです。ネットに依存する子どもの多くは、LINEをしながら食事をして、それを親にとがめられて自室に引きこもり、ますますLINEをする、というような悪循環にはまっています。
 リビングは居心地がいいだろうか?親はいつもため息をついていたり、不機嫌ではないだろうか?食事や、何でもない日常会話を一緒に楽しめているだろうか?こうしたことに心を配ってください。親子の接点がしっかりあれば、子どもの異変にいち早く気づくこともできるでしょう。シングルマザーで、子どもと一緒にいる時間が短い場合でも、せめてその短い時間は、温かな愛情が通い合う時間にしてあげてください。

――子どもがいじめられていると知ったら、直接的に解決したいと焦りがちだと思いますが、それも逆効果なのでしょうか。

 もちろん、子どもに状況を聞いて、学校や専門家に相談する、といった具体的な解決に向けた行動も大切ですが、解決しようと焦って子どもに無理強いをしてはいけません。それは近道のようで、的外れなのです。むしろ、親が余裕を持って親子の関係性を大切にすることの方が、遠回りに見えるかもしれませんが、よほど近道です。その上で、必要な手だてを取るべきです。

「リアル」が満たされれば
依存は自然と解消する
――自殺防止のためには、何ができるでしょうか?

 「命は大切だよ」という言葉だけでは、残念ながら通じにくいでしょう。さきほどからお話ししているような、日常生活の温かなやり取りの積み重ねがあれば、子どもは「自分の命は、自分だけのものではない」ということを、心から感じることができます。そしてそれがありさえすれば、どんなに苦しくても安易に命を絶とうとはしないものなのです。
 また、こうした親子関係が築けていれば、子どもは親に困りごとを相談しやすいですし、第一、親に隠れてLINEにふける、というような状況は生まれにくい。良い関係ができていれば、食事や勉強など、しなければならないことをちゃんとすることや、スマホはリビングでだけ使う、などのルールを決めたり、友達だからといって常時つながっているのではなく、「友達だからこそ、LINEをやる時間を決めるなどの話し合いをできないかな?」と問いかけて、話し合うことができます。
 また、「見知らぬ人とLINEでつながっても、自分の個人情報を教えてはいけないよ」とか、「Twitterで位置情報を知られると怖いから、そうならないような設定にしようね」など、ネットとの上手な付き合い方も話し合うことができます。そのために、親にはネットのことを、もっと勉強していただければと思います。
 SNSを通じてネット上で、危ない大人とつながる子どももいます。たとえば、求められるままに裸の写真を送ってしまい、後から「ネットでばらまくぞ」と脅され、お金を要求されたというケースでは、母親が子どもから相談され、厳格な性格の夫に内緒で200万円を振り込み、後で夫婦別居に発展しました。
 こういうことをする人の多くは、警察にバレることなどを嫌がりますから、きちんとした対応さえすれば、その後はおとなしくなるものです。もちろん例外もありますが、警察のお世話にならずとも解決するケースも多い。いずれにせよ、親も自分たちだけで抱えようとしてパニックになるのではなく、我々のような相談機関や専門家の力を借りて対処していただきたいと思います。

――できれば、LINEやゲームは最低限にしてもらいたい、と思っている親は多いはずですが、依存解消のためには、どうすればいいのでしょうか?

 依存は「止める」のは難しい。リアルの生活で満たされていくことで、気がついたら自然と「おさまっていた」というのがいいですね。
 SNSに依存するケースでは、友達関係だけでなく、見知らぬ人でも、優しくされることで嬉しくなってのめり込んだ、というパターンがとても多いのです。また、オンラインゲームにはまる子は、リアルの人間関係がうまく行かず、ゲームの世界では自分らしく振る舞えると感じていたりする。裏返せば、いつもどこか心が満たされていないのです。
 食事で顔を合わせるたびに「ゲームばかりやって」「夕べは何時までやっていたの!」などと、とがめられるばかりでは、ますます子どもは孤立してしまいます。そんなアプローチではなく、たとえば「オンラインゲーム、楽しそうね。お母さんもやってみたいな」と言って、親子でゲームをやってみる、というようなアプローチの方が、よほど建設的です。
 人間にとって、心の通い合う、満たされる人間関係というのは、本当に大切なものです。ネット上での人間関係は、しょせん擬似的なもの。現実生活で満たされる人間関係があれば、そちらの方を大切に思うというのは、人間の本質だと思います。
たとえば、髪型を変えたことを「かわいくない?(かわいいね、という意味)」と書きたかったのに、「?」を付け忘れて送ってしまえば、相手には「かわいくない」という否定のニュアンスで伝わってしまう。また、落ち込んでいる友達を元気づけたくて、冗談めいたスタンプを送ったら、「バカにされた」と受け取られたり、文末に「笑」の1文字を付け忘れたために、冗談のはずが悪意と受け取られた、などのミスがしょっちゅう起きるのです。
 また、体に与える影響も大きい。ブルーライトをずっと見ているわけですから、精神不安定になりがちだし、不眠となり、「眠れないから余計にLINEをやる」という悪循環が生まれます。
 こうして生活リズムが崩れたうえに、コミュニケーションのトラブルからいじめが始まるというケースが非常に増えるのが、夏休みなのです。

安川雅史(やすかわ・まさし)
1988年大学卒業後、同年北海道立の高等学校勤務。89年、札幌の私立の高等学校勤務を経て、一般社団法人全国ICTカウンセラー協会代表理事、一般社団法日本インターネット被害者救済機構理事を務める。ネットいじめ、不登校、ひきこもり、少年犯罪等に取り組み、全国各地で講演会や研修会を行っている。

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