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新型コロナの感染拡大による突然の一斉休校から1年。首都圏などでは3カ月にも及ぶ異例の長期休校となり、再開後も感染予防のため学校生活は様変わりした。コロナ禍は、子どもたちの心身や学びにどのような変化をもたらしたのか。

国立成育医療研究センターは昨年11~12月、「コロナ×こどもアンケート」で子どものうつ症状の傾向を調べた。小1~高3の924人、0歳~高3の保護者3705人がネットで回答。直前の7日間のうち、「気分が落ち込む、ゆううつになる、いらいらする、または絶望的な気持ちになる」という日が「半分以上」または「ほとんど毎日」と答えたのは、小4~小6で21%、中学生と高校生はそれぞれ24%だった。

 また、「自分はダメな人間または失敗者だと感じる、または自分自身あるいは家族をがっかりさせていると思う」は、小4~小6で19%、中学生で25%、高校生で31%。「学校の勉強、読書、またはテレビを見ることなどに集中することが難しい」は、小4~小6は6%だったが、中学生は20%、高校生は23%にのぼった。

 「死んだ方がいい、または自分を何らかの方法で傷つけようと思ったことがある」という子も、「半分以上」「ほとんど毎日」「数日」を合わせると小4~小6は23%、中学生21%、高校生26%だった。

 これらを総合した結果、小4~小6の15%、中学生の24%、高校生の30%に、中等度以上のうつ症状の傾向が見られた。調査をした半谷まゆみ医師は「不安やストレスが半年以上続いてうつ症状になっている子、うつまではいかないがストレスを抱えている子は、もっと多いかもしれない」と危機感を募らせる。

朝日新聞

令和3年2月28日 山形認知行動療法カウンセラー養成講座(山形テルサ)10時〜16時 新型コロナウイルスによる外出自粛などにより人間関係に問題が生じたり、心の乱れから、虐待や情緒不安定、不眠やネット依存などの問題が表面化しています。今回はストレスへの対応方法を中心に学んでもらいました

学校の選択肢が増える一方で、学校に行っていない子どもたちが増えています。文部科学省の調べによると、最新の2019年度調査では、小中学校を30日以上欠席した児童・生徒は18万人を超え、過去最多を更新しました。そんな子どもたちの学びは、どうサポートしてあげればよいのでしょうか。


「子どもの学びを止めたくない」。そんな思いから、不登校の子どもや親が集まる会を立ち上げた女性がいます。富山県で活動する「Switch不登校の子どもと親の会」の代表、小澤妙子さんです。設立の思いや活動内容を聞きました。

■「学校はもういいから、次へ行こう」と決意

―設立のきっかけは?

現在小学校5年生の息子が、1年生の3学期から突然不登校になったことです。当時は私もなんとか学校に行ってもらいたいと思い、先生に相談しました。子どもは保健室登校をしたり、廊下で過ごしたり、学校に戻るためのいろんな指導を受けました。でもどうしても、教室に入れません。

そんな日々を1年ほど過ごし、「学校はもういいから、次へ行こう」と思うようになりました。今になって思えば、息子のHSC(ひといちばい敏感な子)の特性から、学校が合わなかったんだと思います。

■1200人の不登校の子ども どこに?

―「学校に行かない」と決めた後、どうされたのでしょうか?

学校以外の学びの場を求めて、いろいろな相談窓口、支援機関を訪ねましたが、県内に、学校以外で公的支援を受けて学べる場はほとんどありませんでした。そこで県外に目を向けたんです。すると学校以外にもさまざまな学びの場があり、子ども本人の興味や好きなことから、学びの範囲を広げるという学び方があることも知り、学校教育は多様な学びの一つなんだと思うようになりました。

一方、同時に疑問や怒りも感じるようになりました。なぜ義務教育なのに、学校を離れた途端にお金がかかるんだろう? なぜ不登校の子どもの学びを支える公的制度がないのだろう? 県内で1200人以上もいる不登校の小中学生たちは、どこで学んでいるんだろう?と。

富山は特に「不登校」はネガティブに捉えられ、隠してしまう傾向があり、家族だけで悩みを抱え込み負のスパイラルに陥ってしまう可能性があります。それならまず自分からオープンにして声を上げよう、息子の学びの場を作ろう、そうすれば仲間が集まり、不登校のネガティブなイメージが払拭できるのではないかと考えたんです。

■強制しない 学びの場を提供

―そして2019年5月に、Switchを立ち上げられたんですね。現在はどのような活動をしていますか?

親同士で悩みや不安を語り合う「親の会」や、不登校支援者や関心のある方を交えた「不登校を考える会」のほか、子どもたちには居場所や学びの場を提供しています。

書道やスポーツ、農業、美術など、さまざまなプロジェクトがあります。どの場でも子どもたちに何かをするよう強制はしないので、家から持ってきたゲームをする子たちもいます。そして興味が湧いて、学びたくなったら参加しています。ここでは、子どもたちの学ぶ意欲を伸ばすことを心掛けています。

―活動をする中で、よかったなと思うことは?

あるお母さんは、子どもに「お母さん変わったね」と言われたそうです。学校に行っていないことをネガティブに捉えていると、家の中はぎすぎすしてしまします。多分、会に参加することで、考え方が変わってきたのだと思います。

会の名前「Switch(転換)」には、親の気持ちをSwitchする場、不登校の子どもに合わせた新しい学びスタイルにSwitchする場、子どもたちが気分をSwitchする場、など会の願いを込めています。そんな場を目指して、今後も活動していきたいと思っています。

(まいどなニュース/北日本新聞)

令和3年2月27日 山形児童心理カウンセラー養成講座 10時〜16時 新型コロナウイルスによる不安やゲーム依存、ネット依存、ネットいじめ、不登校などについてロールプレイングを通して学んでもらいました。
山形テルサ

いじめを受けた子や発達障害の子を多く受け入れたにもかかわらず、不登校ゼロを達成し、「奇跡の公立小学校」とまで言われた大阪市の大空小学校。同校の初代校長として9年間、多くの子どもたちを育てた木村泰子氏が「子育てについて大事なこと」を明かす。
第1回のテーマは「子どもにすぐ正解を教えてはいけない理由」について。書籍『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』より一部抜粋・再構成してお届けする。


 全国のセミナーで、あるお母さんに聞きました。

 「子どもが帰宅して『授業中、暴れる子がいて、うるさくて授業できへんねん』と言ってきたら、どう答えますか?」

 そのお母さんは、暴れる子のことを思っているつもりで、「『そんなん言うたらあかんで』と子どもに言います」との答え。

■子どもにすぐ正解を教えてはいけない理由

 これってよくある「思いやり……」という大人の正解ですよね。でも、まさに排除の論理なんです。私たち大空小学校の教師も最初はそうでした。「人を大切にする力」をつけるコツは、「親が正解を言わないこと」です。意外かもしれませんね。

 親は(教師も)、正解を言わなければいけないと思っているものです。さっきの「そんなん言うたらあかんで」という言葉は、そんなこと言ってはいけません、という指示命令です。その裏には「あの子はかわいそうな子」という言葉がある。つまり、「あの子はあなたと違ってかわいそうな子、格下の子」という差別が生まれます。

 「そんなん言うたらあかんで」のたった一言で、その価値観を植え付けてしまうのです。

 「ねえねえ、その子って迷惑をかけようと思ってやってるの?  それとも困ってるの?  どっちなんやろうね」と問いかけてはどうでしょう。

 ここから親子の対話が生まれます。

 「そんなん言うたらあかんで」と言ってしまったら、そこで対話は終了です。「人に迷惑をかけてはいけない」という今までの教育は、これと同じことをやってきたんです。

 知らず知らずのうちに子どもに、他者を排除していく価値観を植え付けていたことに、どうぞお母さん、お父さんたちは気づいてほしい。

 人が人として生きていく中で、正解なんてありません。想定外の中で子どもがどう生きるか。子どもに「ああしろ、こうしろ」と指示命令をして、親の言うことを聞く子どもをつくっていたら、子どもは自分の命も隣の人の命も守れない大人になってしまうのでは、という危機感からスタートしなくてはいけないと感じます。

子どもに「人を大切にする力」をつけたかったら大人が正解を言わないこと、と言いました。それは同時に、正解がないからこそ、問い続ける必要があるということです。この正解のない問いを問い続ける力は、10年後の社会で生きて働く力になります。

 正解があると、問わなくなるでしょう?  まずは大人である母ちゃんが、常に「これでいいかな?」と自分に問い続けてみてください。簡単ですよ。問い続ける子どもをつくるのも簡単です。母ちゃんが「あんた、どう思う?」と聞くだけでいいのです。大人の思っている正解は正解と違います。たかが一人の大人の経験値で、未来のことなんてわからない。1分先のことさえわからないし、地球が潰れるかもしれない。

■大事なのは「正解を問い続ける力」

 正解が通用しない社会に出くわしたら、子どもは前に進めません。ついでに言うと、大人が正解を持っているのに正解を言わない努力をしているのもアウト!  大人は、自分の過去の経験値や成功体験を正解にしているだけ。「言わないだけで、やっぱり正解持ってるやん」っていう時点でアウトです。

 〝正解を問い続ける力〞が、見えない学力なんです。

 親自身も案外、「これって正解じゃないよね」と気づくことがありますよね。たとえば、横並び主義や同調圧力、偏差値至上主義、人に迷惑をかけない、などなど。子どもが生きづらくなるから、つい、「こうしなさい」と言いたくなる気持ちもわかります。私もそんな親でしたから。

 でも親の自分も「ああ、そうか」と気づいて自分を変えていく。この正解を問い続ける親としての自分を変えていく覚悟は、お金もいらない、他者の力もいらない、自分だけでできること。この覚悟は、子どもを大きく変えていきます。

 子どもに言うことを聞かせようとしているお母さん、お父さんは多いでしょう。言うことを聞かせようとするから子どもは納得せず、そっぽを向くんです。

 反対に、言うことを聞かせようとすることをやめると、子どもは「ねえねえ」と勝手に寄ってきます。どういうことかというと、子どもが何を言っても、一言も口をはさまず、とにかく子どもの言うことを、「聞く」「受け止める」こと。これ、本当ですから、ぜひ家庭でやってみてください。

自分の言うことを聞いてくれそうだと思ったら、子どもが大人に寄ってくるのは当たり前なんです。

 たとえば「今日、学校でAちゃんが暴れて大変だった。何とかしてー」と言ってきたら、まず、「ああ、そうなんだ」と受け止める。「そうなんだ」と一度受け止めただけで、「おお、聞いてくれた」と子どもは思います。

 いったん受け止めることをせず、「そんなことを言っちゃダメでしょ」などといきなり正解を言ってしまったら、それで対話は終わってしまいます。

■反抗的な息子が変わった瞬間

 この話をあるお母さんにしたら、親子の関係性が変わり、対話が生まれたそうです。そのご家庭では、息子がゲームをやめず、「ゲームをやめなさい!」と毎日のようにケンカになっていました。

 息子さんは、ゲームの話だけはよくお母さんにしていたそうです。でも、ゲームが嫌いなお母さんはゲームの話なんか聞きたくない。口を開けば、「いつまでやってるの!」「宿題は?」という小言や指示命令ばかりでした。

 ある日、意を決して、子どものゲームの話を(我慢して)最後まで聞いたそうです。そうしたら、息子さんが「ねえねえ」と言って、面白い動画をお母さんに見せに来たそうです。その日、いつも反抗的な息子さんが素直に行動しはじめたのだとか。

 そんなことは今まで一度もなかった、とお母さんはびっくり。子どもの話を受け止めただけで、親子の関係性が変わったんです。これで第1段階クリア!  スタート地点に立ちました。

 指示命令をし続けてきたそれまでの親子関係があるので、時間はかかるかもしれませんが、いつも子どもの言うことを受け止めることが日常的にできるようになったら、次の段階に行きましょう。

 たとえばニュースを見ながら、「お母さん、これがわからないんだけど、あなたはどう思う?」と質問したり相談したりします。

 ゲームの話で関係性ができると、親はついゲームの話でつないでいこうと思いがちです。でも、親が子どもを対等に信じて、「これ、どう思う? (あなたの意見を聞かせて)」と聞いてみる。

 ただし、すぐに素直に答えてくれて、親子関係が改善するみたいな変な期待はしないこと。

 何を聞いても「別に」「うるさい」「面倒くさい」「わからない」しか言わなかったら、しつこく追いかけないのもコツです。

子どもが逃げていくときに追いかけるのはNG。「残念!  バイバーイ」とあっさり引き下がりましょう。しつこくすると、せっかく築いた関係が元に戻ってしまいます。

 大空小学校でも、ありました。せっかく先生が自分を変えて、子どものほうから来てくれるような関係性ができてきたのに、あるとき、子どもに「うるさい、そんなん知るか!」と言われた途端、「ちょっと待て!」とか言って先生が怒ってしまった。

 これでほんの少しできた絆が切れて、マイナスのスパイラルにはまってしまうんです。そんなときは、笑いで終わらせる、しつこく追いかけない。

 私は学校でも、「それは残念!」などと言って軽くおどけながら子どもから離れるようにしていました。そうすると不思議なもので、「なんで人がしゃべってる最中に出て行くねん」とぶつぶつ言いながら子どもが帰ってきたりします。

 軽い笑いに変えると、「あなたは悪くないよ。そういうこともあるよね」という空気になります。こういうときにその場がスカッと軽くなるような言葉をいくつか持っておくといいですね。関西人はちょっと有利かな(笑)。

■子育てに大事なたったひとつのこと

 この文章を読んでいるお母ちゃんたちも今、意図的に変わろうとしているときですよね。でも今まで何年もかけて子育てしてきた関係性を、急に変えることはできません。親の勝手で、親の都合で親が変わるわけですから、子どもが急にその穴を埋められるわけがないと肝に銘じて、子どもに学ばせてもらう気持ちを忘れないでください。

 どれだけ子どもを一人の人間として尊重しているか。これが大事なんです。

木村 泰子 :大空小学校初代校長

東洋経済オンライン

福岡市立小学校であったいじめ事案をめぐり、学校側が設けた大学教授らでつくるいじめ防止対策委員会が、学校や市教育委員会の対応に不十分な点があったとする調査報告書をまとめた。市教委はこの報告書の概要を公表し、全ての市立小学校に再発防止を徹底するよう通知した。

 報告書によると、児童と保護者は、児童が4年生だった2018年に複数の児童からいじめを受けたと学校側に申告。対策委は、学校が行ったアンケートや聞き取り調査をもとに計3件のいじめ事案を認定した。

 児童は体操服入れをほうきで掃かれたり、休み時間中に遊んでいる時にミスを責められたりした。報告書では、関係した児童それぞれから丁寧な聞き取りができていないなど、児童間の関係改善をめざした対応が取れていないとし、「被害児童に不安が残る結果となった。学校の対応は不十分」だったとした。

 いじめを受けた児童は翌19年4~9月末、計30日以上欠席し、不登校になった。この点についても「学校と市教委は、事案発生直後と同等の危機感で改善に取り組む必要があった」と指摘した。市教委は取材に「提言を真摯(しんし)に受け止め、いじめの再発防止に努めていきたい」としている。(横川結香)

朝日新聞デジタル

県教委は新年度、小中学生の適切な情報通信技術(ICT)活用に向けた授業を初めて実施する。国が1人1台のデジタル端末配備を進める中、インターネットを適切に利用し、いじめなどのトラブルに遭わない知識や対応力を養う。県内7地区の公立小中学校14校をモデル校に指定、成果を県内の全校で共有する。
 全国的に児童生徒のインターネット利用が進み、責任ある行動を取る「情報モラル」の教育が重要となっている。授業内容の理解度を高めるため、ネット上で小中学生を対象とした県独自の「情報モラル検定」も実施する。
 モデル校として小中学校各7校を想定。2023年度までの3年間授業を行い、大学教員ら有識者を交えた協議会で検討を重ね、学年に応じた有効な授業モデルを構築する。会員制交流サイト(SNS)などを通じて全世界に発信する際の注意点や、画像を投稿する危険性などを、実例を交えながら指導する。

福島民友

朝起きられず、めまいや腹痛で学校に行けなくなった-。本紙「あなたの特命取材班」に、昨年のコロナ禍による長期休校明けに体調を崩し、退学を余儀なくされた高校1年の女性(16)の家族から声が届いた。診断は「起立性調節障害(OD)」。自律神経の不調が原因で10代に多く、長引く自粛生活によって発症する子どもが増えているという。だが「怠けている」などと誤解され、支援を受けられないケースもある。

 女性は昨春、第1志望だった福岡県内の公立高に入学した。コロナ禍で入学式もなく、約2カ月間は家にこもって学校が出した課題プリントで自学。緊急事態宣言解除後の6月、ようやく登校できた。

 最初は元気に通学していた。1カ月余りして異変が現れた。朝、目は覚めるのに、めまいがして起き上がれない。なんとか家を出ても最寄り駅でおなかが痛くなり、動けない。毎朝「学校に行きたいのに行けない」と泣いた。ところが午後には体調が回復する。

身を切られる思いで退学
 友人関係は良好。原因が思い当たらず、母親は「『甘えているだけ』と思って学校へ行きなさいと叱っていた」。早退したり、保健室で休んだりしながらどうにか通学していたが症状は悪化。校舎に入るだけで顔色が真っ青になった。9月半ばから不登校に。10月、ODと診断された。医師は「環境が変わって息切れしたんでしょう」と言った。

 女性は学校生活に強いストレスを感じていた。休校の遅れを取り戻すため授業は詰め込みで進度も速い。夜中まで必死に予習しても、答えを間違えれば教師に叱られ、立たされる。楽しみだったバスケットボール部の活動も、感染対策のため練習時間が制限され、試合もできない-。

 母親は学校側に診断を伝え、授業のオンライン化など娘が出席できるよう配慮を求めたが、「準備が整っていない」と断られた。今年1月、「出席日数が足りない」として留年か退学か選ぶよう告げられた。親子で話し合い、身を切られる思いで退学届を出した。

コロナ禍で症状を訴える子はさらに増加
 ODは自律神経の働きが崩れ、体を起こしたり立ったりする時に脳などの血流が低下して発症する。小学校高学年から高校生に多く、中学生の1割に見られる。そこにコロナ禍が加わり、症状を訴える子どもはさらに増えているという。

 大阪医大病院小児科の吉田誠司医師によると、もともとの体質にストレス、運動習慣の変化、天候などが影響して起きる。「長期休校と外出自粛により日中の活動量が減ったり生活のリズムが乱れたりしたことに加え、ODの症状が悪化しやすい梅雨や夏の時季に休校明けが重なった」

 治療によって症状は改善できる。生活習慣を正し、散歩など適度な運動を心掛ける▽水分を多めに取る▽投薬で血圧を上げる-などだ。ただ一番大切なのは周囲の理解という。「学校の先生や友人、家族が病気を知っていれば本人への声掛けなど対応は変わる。不安を取り除くことが大事だ」

 学校現場の理解を深めようとする動きもある。岡山県教育委員会は2019年、県医師会と協力してガイドラインを作成。症状の改善に学校が果たす役割は大きいとして、教職員にODの子どもへの配慮を促す。

 高校を退学した女性の母親は訴える。「今は平時ではなくコロナ禍。適応できない子もいる。学校は過度なプレッシャーを与えず、個々に応じた配慮をしてほしい」

 (本田彩子)

西日本新聞

令和3年2月21日 広島認知行動療法カウンセラー養成講座 ものの考え方や受け取り方を変えて行くことによって、
気持ちを楽にし、行動をコントロールする方法を学んでもらいました。
参加者の皆様ありがとうございました。

私は家庭の事情により教育機会を得にくい児童・生徒を優先的に受け入れる無料塾を運営している。いわゆる母子家庭の子が多く通っていることも影響してか、休み時間になると講師の男子大学生に「おんぶ」をせかがむ塾生が少なくない。それも小学生だけでなく、中学生もだ。子どもが育つ過程で大人とスキンシップをはかることの重要性はすでに多方面から指摘されているが、家庭で存分に甘えることができずに育った子どもたちがいかに「愛」を求めるのか、現場で感じたことを記したい。(食事付き無料学習塾・濱松敏廣塾長)

スキンシップを求める子どもたち
 私自身、幼いころに親、特に父とのスキンシップがなかった。

 ささいなことで年中癇癪(かんしゃく)を起こし、家の中で暴れる父を見て育った私にとって、父はおんぶしてもらう対象どころか、「恐怖」もしくは「敵」と表現した方がしっくりくる人物だった。手を握った記憶すらない。父は昨年の8月にこの世を去ったが、数年前にがんで入院をした際、父の手を握った記憶がないのも悲しいことだからと、私から彼の手を握って励ました。覚えている限り唯一の父とのスキンシップ。とてもカサついた皮膚だった。

 このような生い立ちが影響しているのであろうか。親世代の男性からのスキンシップを意識的に拒否する傾向が自分の中にあったため、小学校の高学年や中学生になってまでおんぶをせがむ塾生を見た時、その気持ちが正直よく分からなかった。


 しかし、息子(5)にことあるごとにおんぶや肩車をせがまれるなか、親と十分にスキンシップをとれず、甘えられないまま育った塾生が、親からしてもらいたかったおんぶを講師にねだり、寂しい気持ちを埋めようとしているのだと理解をするようになった。

愛情を取り戻そうと試る子どもたち
 ある母親から受けた相談で印象深かった話がある。

 それは「中2になる不登校の息子が、時々抱っこをせがんでくるので困る」というものだった。小柄なその母親は病気を抱えており、自分より体の大きくなった子どもを膝に乗せて抱きしめることが苦痛だと言うのだ。母親によると、息子が小学校に入学する前の段階で、元夫のDVにより離婚をしたと言う。

 当時は家や仕事、息子の保育園を探すことに必死で、あまり遊んであげられなかった、と母親は語った。母親の立場を思えば仕方のないことだろう。

 一方で私は、子どもは得られなかった幼少期の愛情を「いつか」取り戻すものだと考えている。この家庭の場合、その「いつか」が、たまたま母親が病気になり家にいる時間が増え、息子が不登校になったタイミングだったのであろう。それが母親の悩みの種になってしまったことは不幸としか言いようがない。


シングル家庭だけの問題ではない、子どもと向き合えない父親たち
 いまでこそ父親の育児参加が推奨され盛んにもてはやされる時代となったが、仕事などを理由に、育児を母親任せにしている家庭は、依然として少なくないだろう。その意味で、「父親不在の育児」は母子家庭に限った話ではない。

 個人的体験で言えば、育児はおろか、台所に立つことすら「男のすることではない」と言ってはばからない父の下で育った私は、「子どもと向き合う父親」が全くイメージできないまま、大人になったと言っても過言ではない。働く大人としての父親像はあっても、家庭の中でどのように振る舞ったら良いのか分からなかった。このような悩みを抱える父親は多いのではないだろうか。

 私の場合は、幸いにも塾経営を通じてたくさんの学生講師が子どもたちに無償の愛を注ぐ姿を目にする機会を得た。さらに、結婚し子どもが生まれてからは義父が子どもを可愛がる姿を見せてくれた。生育環境などにより現在進行形で苦しむ塾生を支援している立場のつもりだったが、これらの体験を通して改めて学ぶことは多かった。時間はかかったが、私自身も「愛情を注ぎ・注がれる」という体験を取り戻す機会を得たと見ることもできるかもしれない。

良いスキンシップの「コツ」は
 スキンシップは、さまざまな誤解や犯罪を生む恐れがある。そのため、「とにかく触れ合いを」と推奨している訳ではない。では、「良い」スキンシップのコツはあるのだろうか。また、スキンシップが上手い人の共通点はあるのだろうか。


 塾生たちが求めるスキンシップに対して自然な対応ができる学生講師に話を聞いてみると、自分の親もしくはその他の身内との関係性が良好な場合が多い。また遊んでいる姿を見ても「遊んであげている」と言う上から目線がないように見受けられる。おそらく、授業の中でも雑談を通じて塾生との距離を縮めているのであろう。

 何より、子どもたちを「受け入れる」姿勢を持っている。自分からスキンシップをしにいくのではなく、子どもからの接触を穏やかに受け入れることに徹しているのだ。もちろん、度を越した悪ふざけをすれば「それはダメだよ」と指摘するが、基本的にはおんぶをせがまれればしてあげる。話を聞いてほしそうであれば聞いてあげる。拒絶するような態度はほとんどない。子どもたちは自分に向けられた態度や表情以外にも、学生講師がどんな態度で他人と接しているのかもよく見て、甘えても大丈夫な大人がどうかを判断している。子どもたちは、大人の表情を読み取る達人なのだ。

 当塾には毎年、100人以上の大学生・高校生がボランティア講師として集まる。参加の動機は、「教育格差を改善したいから」、「自分もひとり親家庭で育ったから」、「友達に誘われたから」、「子どもが好きだから」など、十人十色。

 きっかけはどうであれ、その多くは塾生の学力向上だけに目が向いている訳ではなく、「根気強く寄り添い見守ること」にも理解を示してくれている。そのため、ボランティアだからといい加減な対応をすることはほとんどない。

 我が家で、隙があれば親の膝に座ってキャッキャと騒ぐ子の姿を見ていると、子どもと自然なスキンシップがとれる学生講師たちは、自然とこうやって親からの愛情を受けながら育ったのだろう、と改めて感じる。

コロナ禍で減る、スキンシップの機会
 幼少期のスキンシップが子どもに与える影響についてはすでに様々な研究が行われており、情緒の安定や非認知能力・社会性の向上などの効果が指摘されている。

 子どもは、大人とのスキンシップを通して寂しさを埋め安心感を得る。また、自分を受け止めてくれる優しい存在を探しているのかも知れないし、スキンシップを通じて自分の味方になってくれる相手かどうか判断しようとするのかも知れない。また、家庭が崩壊し親から十分な愛情や安心感を得られなかった子どもにとっては、大人と触れ合いながら無意識のうちに社会との関係の再構築を試みているのではないか、と思うこともある。


 子どもが大人とスキンシップをとれる場は、(1)家庭(2)学校(3)塾・習い事をはじめとする放課後の活動拠点――の3つに分けられるのだが、家庭に「不和」が生じている子どもにとっては、そもそも(1)は選択肢にない。その中で新型コロナウイルスの感染拡大により(2)の学校にも行けない時期が生じ、再開後も課外活動が制限されるなどこれまで通りの日々を送りにくくなってしまった。このような状況の中、信頼できる大人と、スキンシップを含めたコミュニケーションを取ることができる(3)の場の重要性は増していると考える。

塾にできること
 コロナ禍、私が運営する塾でもオンライン授業に切り替えた。講師陣ら、大人と直接触れ合うことができなくなり、寂しい気持ちを募らせている子どもはかなり多いと考えられる。そんな子どもたちに対して、私たちは何ができるのだろうか。対面でのやりとりが難しい中、「おんぶ」に替わって塾生らに安らぎを与えられるような環境を用意することができるのだろうか。

 塾長である私が悩んでいる間に、ボランティアの学生講師達はその答えを自ら試行錯誤し、示してくれた。

 次回はそのことについて触れたいと思う。


Yahoo!ニュースオリジナルTHE PAGE

コロナ禍による影響で今年度、12月末までに全国の大学や短期大学などを中途退学や休学した学生はおよそ5800人に上っていることが文部科学省の調査で分かりました。

文部科学省は、全国の大学や短期大学、それに高等専門学校を対象に、今年度、4月から12月までの中途退学や休学、それに支援の状況を調査し、全体の95%に当たる1009校から回答を得ました。

その結果、
▽中途退学した学生は2万8647人、
▽休学した学生は6万5670人で、
このうち感染拡大の影響と分かっている人は、
▽中退者は1367人、
▽休学者は4434人の合わせて5801人となっています。

全体としては、前の年の同じ時期と比べ、中退者は2割ほど、休学者は1割近く減っています。

これについて文部科学省は、99%の学校が後期授業料の納付期限を猶予し、74%が経済的に困難な学生を対象に授業料の減額や免除を行っていることや、国の低所得世帯を対象とした給付型奨学金が支給される制度が去年4月から始まり、12月時点で27万人近くが利用していることなどが背景にあるとみています。

文部科学省は「年度末に向け、中退や休学する学生が増えることも想定されるため、引き続き、大学などと連携し、きめ細かな支援を継続したい」としています。

専門家「困窮世帯の学生への影響に注意必要」
子どもの貧困問題や支援制度に詳しい日本大学文理学部の末冨芳教授は、中退や休学した学生の数が減少している状況について「去年の春に始まった低所得世帯への高等教育の無償化制度の効果が出ているとみられる。一方で、ぎりぎり、制度からこぼれる世帯の中には苦しい家庭もあるはずだ。困窮世帯では、大学生や高校生がアルバイトで家計を支える家庭も多く、大学をやめて家計を支えようとする学生も出てくるとみられ、長期化による影響への注意が必要だ」と指摘しています。

また、「家計以外の理由でも、コロナ禍で大学生活を楽しめず意欲が無くなったり、オンライン授業の連続で疲れたりして、精神的なストレスを抱えて孤立した状況になり、学業を続けられないというケースが出てくることにも注意が必要だ」として、オンラインも含めた学生どうしの交流や精神的なケアが必要だと話していました。


NHK

令和3年2月20日 広島児童心理カウンセラー養成講座 新型コロナウイルスによる心理的不安や環境変化による問題点についてどのように向かい合うべきか?不登校、ひきこもり、ネットいじめ、ネット依存に対してどのように対応すべきか?をお話させていただきました。

熊本県荒尾市立の中学校に通っていた1年生の女子生徒がいじめを受け、転校を余儀なくされたとして、市教育委員会は1月、いじめ防止対策推進法に定める重大事態にあたると認定した。

 市教委によると、遅くとも昨年8月ごろには女子生徒や保護者から学校側に相談があった。名前を書かない形で中傷するSNSの書き込みや、校内ですれ違いざまにぶつかるといった行為があったという。

 市教委は転校はいじめが原因だったとして重大事態と認定。今月、女子生徒は転校した。

 医師や弁護士ら第三者でつくる「いじめ防止対策審議会」で、事実確認や原因究明のための調査が近く始まる。

     ◇

 「本人は、なぜ自分が転校しなければならなかったのか、納得できない。私もそうです」。女子生徒の母親は振り返る。

 母親によると、これまでに女子生徒は2度自殺を図った。「このまま終わりにしてはいけない」と話す。

 昨年5月、娘はささいなことをきっかけに、同じ学年の生徒から暴言を言われた。

 悩みながらも気にしないようにしていたが、夏には根も葉もないうわさが流れるようになった。

「死なせてよ」
 複数の生徒から、廊下でぶつかられたり、「近づくな」「キモい」などと言われたりするように。

 8月下旬には、SNS上に、名前は書かれていないものの、娘のことを書いたと見られる中傷の投稿があることがわかった。

 9月、加害生徒や担任も交え話し合う機会が設けられたが、いじめは続いた。

 10月には通学用の自転車のベルを壊された。

 ロッカーに入れていた体操服が別の所から出てきたこともあった。

 自宅の同じ部屋で寝ていた娘はハンガーで首をつろうとした。

 すぐに取り上げると、「何で止めると。死なせてよ」と泣かれた。

 その後も、成績を落としたくないと、登校は続けた。

 12月、母親は娘の様子を見守るため、仕事を辞めた。

 同下旬、娘はSNS上に、「人をいじめている、傷つけていることを自覚して欲しい」などと投稿。その数日後、再び自殺を図った。

 夜、足音に気付くと、娘は2階の自室に向かっていた。

 追いかけて部屋に入ると、ベランダの手すりに足をかけていた。もみ合いになりながら、止めた。

 「生きとっても、苦しい」。2人ともパニックになっていた。

 冬休み明けの1月、娘は1日だけ登校した。「学校くんなよ」「死ね」と言われた。限界だった。

 「いじめをしている、人の命に関わることだという認識をしてほしい」。自身は仕事を辞め、娘は転校した。飛び降りようとした部屋には、2人とも入らないようになった。

 母親は「先生たちが最初に対応していれば、こんなことにならなかったとも思います。加害者やその家族にも話を聞き、しっかり指導して欲しい」と訴えた。(渡辺七海)

朝日新聞デジタル

校生活を送るうえで各学校が生徒に定めるルール「校則」。その在り方をめぐり16日、注目の判決が出された。

 始まりは2017年、大阪府立懐風館高校3年の女子生徒が大阪府を訴えたこと。生まれつき髪が茶色いと主張していた女子生徒。しかし、教師からは4日に1度のペースで繰り返し黒染めを強要されたという。生徒は指導に応じて何度も髪を黒く染めたが、教師らからは「不十分だ」などとして授業や修学旅行などへの参加を禁止され、不登校になったと主張。精神的な苦痛を受けたとし、大阪府におよそ220万円の賠償を求めたのだ。

 当時、この裁判に海外メディアも注目。英BBCは「日本のティーンは学校のために“髪を黒く染めることを余儀なくされた”」、仏FRANCE24は「日本の10代の若者が学校で訴え 茶色の髪を黒く染めるよう強制」と報じた。また、ネットでも「髪型や髪色の校則はもう古い。茶髪とか金髪は海外では普通だし」「人権無視のブラック校則が全廃されますように」といった声があがった。

“黒染め訴訟” 大阪地裁の判決

 様々な意見が飛ぶ中、大阪地方裁判所は「教員らの頭髪指導は違法ではない」「正当な教育目的で定められた合理的なもの」と、非行防止などの目的で髪染めを禁じるのは一定の合理性があると指摘。その上で、教師らは頭髪検査で生徒が生まれつき黒い髪だったと認識して柔軟に指導していたとし、生徒側の訴えを退けた。一方で、当時学校側が生徒に対し、進級時に席を置かなかったり名簿から名前を消すなどした対応については不当だったと判断し、生徒側の主張の一部を認め大阪府に33万円の支払いを命じた。

 校則について大きな議論を呼んだ今回の裁判。髪型や制服、下着の色まで指定されるなど時に“ブラック校則”とも呼ばれる日本の校則について、16日の『ABEMA Prime』で議論した。

■佐々木俊尚氏、“染髪禁止=非行の防止”の考えは「時代錯誤」
内田良氏

 今回の判決について、この黒染め訴訟をきっかけに著書『ブラック校則』を執筆した名古屋大学大学院准教授の内田良氏は「一応賠償金が支払われるということにはなったが、校則に限っていえば学校の言い分がすべて通った形だ。この数年、校則の問題が広く認識されるようになる中ではかなり後退した判決というか、守りに入った判決だと感じる」との見方を示す。

 校則について文部科学省では、「児童生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長・発達していくため、各学校の責任と判断の下にそれぞれ定められる一定の決まり」と定義。その内容や運用については、「児童生徒の実態、保護者の考え方、地域の実情、時代の進展などを踏まえたものとなるよう、積極的に見直しを行うことが大切」だとしている。

 校則を必要とする理由について、懐風館高校は「生徒の関心を頭髪や服装等ではなく勉学やスポーツに向けさせ、非行の防止等につなげる目的で定められている」と主張している。


 “染髪禁止=非行の防止”とすることについて、ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「時代錯誤で古臭い感じがする」と指摘。「最近は黒髪の女性が多いが、ちょっと前までは“全員茶髪”くらいの時代があった。その頃に新宿のメイク専門学校で講師をしていた友人の話で、春に地方から女子学生たちが上京してきて専門学校に入ると、みんな茶髪や金髪、緑、紫とすごい髪の色をしているが、『夏休みを過ぎてグレ始めると突然黒く染めるやつがいるから、そいつに気を付けろ』と言われていたと。つまり、時代によって何が素行不良の兆候になるのかは全然違う。昔は個性的な格好=不良だという話をしていた人もいるが、じゃあ今原宿の竹下通りに行ったら目立つかというと、そうではない。もはや見た目でその人の素行不良がわかるなんてことは全くなく、何を生活指導するかということをもうちょっと学校側が考えて、時代に合わせたアップデートをすることは重要なのではないか」との見方を示す。

 内田氏も「学校はみんなが集まる場なので、基本的に多くの子どもが自由に過ごしやすい場であるべきだ」とし、「判決文では10ページくらいにわたって、学校からこういう指導を受けた、その生徒がいやいや違うんだと抵抗していたという歴史が書いてある。そして、最後が不登校。この校則によって一体誰が得しているんだろうと、すごく胸が苦しくなった。非行抑止のため、問題行動抑止のためだということも書いてあるが、仮に問題行動を校則が抑止できたとして、代わりに学校が人権侵害という問題行動を起こしている。子どもが表面上おとなしくなればそれでいいのか。子どもたちが自分でものを考え、自分でものを作り出す時代に、上からすべて決めていくというのは変えていかないといけない」と述べた。

■内田氏「厳しい校則は保護者や地域住民も含めて成り立っている」
「男女交際禁止」で退学勧告 堀越高校

 校則をめぐっては、多くの芸能人が在籍する私立堀越高等学校でも裁判になった。堀越高校の元生徒の女性が、「男女交際」を禁止する校則に違反したという理由で自主退学を勧告され、納得できないまま退学。女性側が「自主退学勧告は不当」として、高校を相手に約370万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。

 この裁判について内田氏は「基本的に学校の門を出たら子どもを返したことになっている。つまり自由。ところが、男女交際禁止や外泊禁止、友達同士の旅行禁止など校門の外まで学校が管理していて、そんな権限はないはずだ。ただ裏を返すと、それは家庭や地域社会からの要望だったりする側面もある。地域住民が学校に“おたくらちゃんと指導してるのか”と電話して、学校がルールを厳しくしていくということもある。結局、男女交際禁止にしろ、外泊禁止にしろ、学校独自の問題というよりも、保護者や地域住民も含めて厳しい校則が成り立っているんだと理解して、みんなで声を上げていかないといけない。今まで、校則の議論は学校の人権侵害で止まっていた。でも、制服や髪型など外に見える部分を評判として学校はかなり気にしているというところを一緒に考えていかないと、この問題は前に進まない」と指摘する。

校則は保護者や地域住民を含めてできるという考えについて、制度アナリストの宇佐美典也氏は「高校時代に禁止されていたゲームセンターに行った時、先生が来てトイレに逃げた。バレていて30分くらい粘った末に諦めて出たが、そこで言われたのが『わかってないかもしれないけど、クレームが来るのは近所の人からだぞ』と。うちの学校があることを近所の人が誇りに思っていて、そのブランドを汚していると思っているから通報が来て、管理しているんだということを言っていた。それで仕方ないかと思って、職員室で坊主にした。内田さんの言うことは腑に落ちた」と理解を示す。

 一方で、佐々木氏は改めて時代に合わせた校則の必要性に触れ、「学校が男女交際禁止と言っていても、その通りにしたら立派な大人になれるのか。そんな保証は何もない。昔は先生の言うことに唯々諾々と従っていれば、それなりの大学に入って就職してというような、ある種のレールみたいなものがあったかもしれないが、今の時代に学校の言うことを全て聞かなくてはいけないという空気感自体がおかしいのではないか。それこそ、副業禁止をする企業に『そんなことを言われる筋合いはないだろう』と言うことと同じにおいを感じる」と述べた。
(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

ABEMA TIMES

2020年に自殺した小中高校生は479人で、前年より140人増え、過去最多となった。厚生労働省の自殺統計を基に、文部科学省が集計した。内訳は小学生14人(前年6人)、中学生136人(同96人)、高校生329人(同237人)だった。特に高校生の女子は前年の67人から倍以上の138人と急増した。

厚生労働省の自殺統計を基に文部科学省が集計

令和3年2月15日 下北沢成徳高等学校 ネットいじめ、ネットトラブル 講演会
12時50分〜14時20分
生徒の皆さんは真剣に話に耳を傾けてくれました。

令和3年2月14日 名古屋認知行動療法カウンセラー養成講座
アルバート・エリスの論理療法や、アーロン・ベックの認知療法の登場により、思考など認知に焦点をあてることで発展してきた心理療法。うつ病や不安障害、PTSD、強迫性障害、不眠症などに効果があることが実証されて広く使われています。

令和3年2月13日 名古屋児童心理カウンセラー養成講座
新型コロナウイルスによるストレスケア、ゲーム依存、SNSトラブル、ネットいじめ、不登校、ひきこもりなどの対応方法について学んでもらいました。

子どもが成長していくまでには、親にも子にもいくつかの節目や踏ん張りどころがありますよね。小学校の6年間の中には、親子の前に“壁”が出現しやすい時期があるようです。そのうちの1つが“小4の壁”といわれているものです。

小4の壁とは?
近年、しばしば聞かれるようになった“小4の壁”という言葉。

検索エンジンでは2000年代前半から”9歳の壁”という言葉の検索頻度があがり、2010年代に入って“小4の壁”というワードもコンスタントに検索されるようになっています。

最近では2つの言葉の解釈があいまいになっていますが、文部科学省のホームページでは“9歳の壁”について以下のように記述があります。

「9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになる。対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」 ) 。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。」

出典:子どもの徳育に関する懇談会 3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題 ー 文部科学省

発達の個人差や自己肯定感について言及された“9歳の壁“ですが、”小4の壁”は、子どもの学習面でのつまづき、学校生活での困難に加え、共働き家庭での放課後の子どもの居場所確保、仕事と家庭の両立なども含めた言葉として使われています。

『kufura』編集部が小学校4年生~中学校3年生の子どもがいる女性92人に“小4の壁”についてのアンケートをとったところ、以下のような結果となりました。

【「小4の壁」を感じたことがあるか?(小4~中3の母親92人に調査)】
「小4の壁」をとても感じた・・・9.8%

「小4の壁」を少し感じた・・・26.1%

「小4の壁」を感じなかった・・・58.7%

わからない・・・5.4%

35.9%の親子が、子どもが小3から小4に進級する9~10歳頃になんらかの困難を感じています。

続いて、皆さんが感じた“壁”の具体的な内容についてうかがいました。

学童退所後、悩ましい放課後の過ごし方
今回のアンケートで最も多く集まったのが、放課後の過ごし方に関するものです。

「学童での生活が嫌になっていたこともあり、留守番を慣れさせて学童を辞めました。友達と下校できるのが嬉しかったようで、その後も一緒に遊ぶことができた」(38歳・その他/子小学1年生・小学4年生)

「小4から塾に通う生徒も多く、そのための出費や送迎など今までかからなかった費用が増えた」(46歳・主婦/子・小学5年生)

「中学受験の塾に通っていたのが、だんだんと学校のお友達と放課後過ごす方が楽しく、本人が葛藤していらいらしていた」(37歳・主婦/子・ 小学1年生・小学4年生)

「鍵を渡して1人で家の出入りができるかが不安だった。鍵をなくしたことも。持って行くのを忘れたり」(50歳・主婦/子・中学生)

小学校4年の進級時にそれまで通っていた学童を退所する子が多いのですが、親にとって悩ましいのが放課後の過ごし方です。共働き家庭では、鍵の管理に慣れさせて留守番させたり、自由に遊ばせたり、塾に通わせるなどして、親の帰宅時間までの時間の過ごし方を工夫していました。

勉強の難易度があがり、サポートが必要に
4年生になって学習の難易度があがったり、宿題を終わらせるのに時間がかかるようになったといった声も聞かれます。

「4年生になり勉強が特に難しくなったので寄り添うことにした」(38歳・営業・販売/子・小学3年生・小学5年生)

「勉強の始めるタイミングが分からなかったり、時間の取り方が慣れなかった。寝る時間から逆算して、やることを決めていったり、ひとつひとつ一緒に進めて行った」(39歳・その他/子・中学生)

教室の中には、特定の科目が得意な子、既に塾で一通り先取り学習をしている子、苦手な子が混在していますが、一定のスピードで授業が進んでいきます。少しずつ難易度があがり、科目によっては理解が難しくなる子は少なくありません。このような“学習の壁”に直面した家庭では、親のきめ細やかなサポートや、学習塾のフォローで乗り切っていました。

子どもが不安やイライラを抱えているときには……
小学校4年生頃、子どもが不安やイライラを抱えやすくなったというケースも見られます。

「反抗期を徹底的にさせて、受け止めてあげるようにした。娘が暴れて家具が壊れることが多かったです」(47歳・主婦/子・ 中学生)

「わがままや自分の主張を聞いてあげて、でもその家庭ごとの決まり事ややる事があることを少しづつ教えていった」(50歳・主婦/子・小学4年生)

「反抗期を迎えたので、夫に任せた」(40歳・総務・人事・事務/子・小学4年生)

「対話を心がけ、学校でのできごとを話せるようにした。目配り心配りをして本人の様子に合わせて話しかけた」(39歳・デザイン関係/子・小学2年生・小学4年生・高校生以上)

「甘えたいけど、素直に甘えられない感じがあった。中2まで苦労した」(42歳・公務員/子・小学6年生・高校生以上)

子どもの話をよく聞いて寄り添うことに加え、場合によっては学校との連携や先生の理解も必要となりそうです。

「学校に行きたくない」と言い出した子も…
今回のアンケートでは、小4に進級後、子どもが学校へのネガティブな気持ちを抱えるようになってしまったという声も複数ありました。

「乗り越えられず、不登校になりました」(46歳・主婦/子・小学4年生・高校生以上)

「イライラしたり学校に行きたくなくなったり」(51歳・技術職/子・中学生・高校生以上)

「学校が嫌になったと言っていたが、学校に行かないと自分の夢がかなわないよと言い聞かせた」(50歳・主婦/子・小学5年生・高校生以上)

令和元年度の文部科学省のデータでは、4年生の不登校の数値は3年生のときの1.47倍に上がっています。また、平成29年度の数字と比較すると、他の学年でも大幅に不登校児童が増加していますが、4年生は2年間で1.5倍に増加しています。

教室の空気、放課後の居場所、学習、友達との折り合いなど、現在の学校には乗り越えることを拒みたくなるような“何か”がある可能性も考えられます。

まとめ
今回は“小4の壁”の体験談についてうかがいました。

今回のアンケートでは3人に1人という高い割合で母親が何らかの“小4の壁”を実感しており、各々が家庭の力で壁を変えようと、放課後の安全な居場所を確保したり、塾に通わせたり、受け止めて寄り添ったり、と奔走していることがわかります。さらに、まだ公的な統計には表れていませんが、新型コロナウイルスが子どもたちのライフスタイルに与える影響は甚大で、家庭でできることには限界があります。

子どもたちの居場所確保、苦手科目のフォロー、不安感やストレスとの向き合い方については各家庭の雰囲気にも直結する切実な問題です。自治体や学校、場合によっては専門機関による、よりきめ細やかなサポートが必要となるケースもあるのではないでしょうか。

【参考】

子どもの徳育に関する懇談会 3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題 ー 文部科学省

令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 ー文部科学省

北川和子

kufura

那覇市教育委員会は9日、市内の中学校で女子生徒がいじめを受け不登校になった問題を調査した報告書を公開し、いじめに対し学校の対応が不十分であったと謝罪し、再発防止に努める考えを示した。

2015年6月、那覇市の中学校に通っていた当時1年生の女子生徒は、同じ部活やクラスの複数の生徒から蹴られたり、「死ね」と言われたりするなどのいじめを受けていた。
女子生徒の母親から担任に申告があり、2年生の時には加害生徒と別クラスになったが、3年生の時に学校側のミスで加害生徒1人と再び同じクラスになったことにより、女子生徒は不登校になった。
これについて、弁護士などでつくる那覇市いじめ問題専門委員会は、学校側がいじめを深刻な事態と認識せず対応が不十分であったとする報告書をまとめ、学校側に問題があったことを指摘した。
田端一正教育長は生徒と保護者に謝罪し、委員会の報告を真摯に受け止めいじめの早期発見・対応に努める考えを示した。

沖縄テレビ

令和3年2月7日 水戸認知行動療法カウンセラー養成講座 午前中は、ロールプレイングを中心でした。午後からは、自律訓練法、エゴグラム、絵画療法などを学んでもらいました。思考など認知に焦点をあてたカウンセリングについてもお話させてもらいました。

令和3年2月6日 土曜日
水戸児童心理カウンセラー養成講座
新型コロナウイルスでストレスを溜めている子どもや保護者との向き合い方、ストレスケアの方法、ネットいじめ、ネット依存、不登校対応などについて学んでもらいました。

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