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ネット上に広がる中傷、24時間監視①

EU司法裁の判決や東京地裁の仮処分決定は、人格権やプライバシーの侵害を理由に、検索結果の削除を命じるものだ。しかし、ネット上では、人格権の侵害が際限なく広がっている。東海地方の男性(21)は、高校2年の秋、「2ちゃんねる」に書き込まれた中傷にがくぜんとした。
 「窃盗犯だ」「店での犯行を目撃!」
 同級生たちが書き込んでいたスレッドはそれまでは先生が標的だったが、矛先が急に自分に向いた。書き込みはエスカレート、住所や電話番号など個人情報が次々にさらされた。家には無言電話、ツイッターには「死ね」との書き込み。うつ状態になり、学校を休むようになった。
都内の高校1年のある生徒は、同じ部活の先輩からこう頼まれた。「胸の写真送ってよ」。好きな先輩だったので嫌だったけれど送った。つきあい始めると、性交渉に乗じて局部の写真も撮られた。その後、先輩とはけんか別れ。しばらくすると、自分の胸や局部の写真が学校の男子生徒の間で出回っているのを知った。ショックで学校に通えず、その後退学。別の高校に転校した。
「君たちがおもしろ半分で投稿した記事や写真はネット上ですぐに拡散する。その重みを君たちは一生背負っていくことになる」
10月上旬、東京都町田市の和光中学校が3年生約140人を対象に開いた講演会。「全国webカウンセリング協議会」の安川雅史・理事長(49)が厳しい口調でこう話すと会場が静まりかえった。

2014年11月16日 朝日新聞

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