本日 200 人 - 昨日 401 人 - 累計 912293 人

写真や動画が…

2017/3/27 日本経済新聞 夕刊 

「写真や動画が知らない間にSNSに投稿され、拡散されていると思うと怖い」。都内のカフェでアルバイトをする女子大生のBさん(20)は不安を口にする。内装を凝ったカフェなので店内を撮影する客が多く、同時に店員の顔も写ることもある。「私たちスタッフのプライバシーはあまり守られていない」
 飲食業やスーパー、コンビニなど小売業の店頭で働く人にこうした不安が広がっている。全国webカウンセリング協議会(東京・港)の安川雅史理事長は「一部の個人情報だけでもネット上の他の情報との組み合わせでどこの誰かを特定できる」と指摘する。店舗内に掲示された店員の自己紹介からストーカーに発展した相談事例もあった。SNSが特定されて居住地域や勤務日などを調べられてしまったという。
 レシートに記載された名前が悪用される例もある。客から氏名を基にSNSのアカウントを検索されて閲覧されるようになった結果、様々な書き込みをされて嫌な思いをした相談もあった。やむなくアカウントを閉鎖し、勤務するシフトを変えざるを得なかった。
 個人情報保護の観点から、担当者の氏名を記載したレシートを変更しようという動きも出始めた。セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂は昨年11月からレシートの担当者名をカタカナの名字のみに変更した。従前のシステムでは従業員の登録情報がレジ機にひもづけられ、レシートに自動的に漢字の氏名が記載されていた。
 イオンの中核会社、イオンリテールは4月以降のシステム変更に伴い、レシートの担当者名を名字か社内番号のみに変更しようと検討している。東急ハンズも今後、従業員番号のみの記載に変更する方針だ。コンビニ大手でも名前を従業員番号のみで対応する会社が多く、全国約3000店を展開するすかいらーくグループも当初から名前を載せないようにしている。

RSS