本日 392 人 - 昨日 450 人 - 累計 908404 人

「失敗を成功のもと」にする脳のしくみを解明③

実験の成果
この研究成果は、自分で選んだ感覚が伴うときには、失敗は必ずしも悪いことではなく、いわば「成功のもと」となる積極的な意味を持つ情報として処理される脳内メカニズムが前頭前野腹内側部に存在することを強く示唆するものである。

自己選択条件では自分で選んだストップウォッチを、強制選択条件ではコンピュータに指定されたストップウォッチを使用して、ゲーム課題を行なった。4.95~5.05秒の間で止めることができれば成功としてポイントを加算し、そうでなければ失敗としてポイントを加算しなかった。実験終了後、各実験参加者に、自己選択条件と強制選択条件のどちらの方によりポジティブな気分を持ったかを尋ねたところ、90%以上の人が、自己選択条件を選んだ。自己選択条件と強制選択条件で、ストップウォッチ課題の成功率を比較したところ、難易度はまったく同一であるにも関わらず、自己選択条件の方が、有意に成功率が高かった。使うストップウォッチを自分で選ぶことのできた自己選択条件では、腹側線条体の活動は失敗時に低下したが、前頭前野腹内側部にはそのような活動低下が見られなかった。

RSS