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「失敗を成功のもと」にする脳のしくみを解明①

一般に「他人任せでなく、自分のことを自分で決める」こと(自己決定)は重要だと言われているが、自己決定が脳にどのような作用を及ぼすかについては分かっていなかった。本研究では、良いことがあると活動が高まる前頭前野腹内側部と腹側線条体に着目し、自分がこれから遊ぶゲームのデザインを、自分で選んだときと強制的に選ばされたときとで脳活動がどう異なるか、脳機能イメージング法を用いて調べた。
その結果、ゲームのデザインを自分で選んだ場合(自己決定)、たとえゲームで失敗しても,前頭前野腹内側部がそれを「成功のもと」とポジティブに捉え、その結果、やる気と課題の成績が向上することが示唆された。
本研究は、失敗を「成功のもと」とプラスに捉え、高い学習効果を維持する、学習者中心の教育方法の開発と普及、ひいてはやる気に満ちた社会の実現に貢献すると期待される。

【著 者】
村山 航(レディング大学)
松元まどか(玉川大学脳科学研究所)
出馬圭世(カリフォルニア工科大学・日本学術振興会)
杉浦綾香(東京大学)
Richard M. Ryan(ロチェスター大学)
Edward L. Deci(ロチェスター大学)
松元健二(玉川大学脳科学研究所)*研究グループ責任者

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