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リストカット

自分の苦しみから抜け出す可能性が見えてこないとき,人は、死を考えるが、絶望により、死を選んでいるのではない。この苦しみから逃れたい、でも逃れられそうにない。変われないなら、死んだほうがましと考えるようになる。「死にたい」と言う子どもに対して、「そんな馬鹿なことを言うな」と頭ごなしに否定したりしかりつけることは、結果として自殺の方向に追い込んでしまう。「死にたい」と言う気持ちは、「変わりたい」という気持ちの表れなのだ。カミソリやカッターでリストカットをすると、中で渦巻いていたジリジリする気持ちが、少しだけ抜け、内圧が下がる、文字通り出口になる。「お父さん、お母さんの為に死ねない」と生きていることを人のせいにする子もいるが、これはもちろん、責任転嫁である。しかし、これは、本人にとって必要な逃げなので、売り言葉に買い言葉で、腹を立て『別にお母さんたちのために生きていなくても良いわよ』などと言ってしまうと取り返しがつかなくなってしまう。子どもが、死のうとしているときは、親は、とにかくあわてなければならない。何もなかったように見てみぬふりをすると、子どもは傷つく。もちろん、カウンセラーはあわてず、じっくりその話題をとりあげることが大切だ。カウンセラーが「今の状況が変われば、生きていくことが出来そうですか?」と尋ねると、子どもは、「うん」とうなずく。これは、カウンセリングを受けていくことを子どもが認めたことを意味する。

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