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生徒の相談の乗り方⑧

1回で相談が終わった。それは信頼関係ができて、問題が解決したから終わったわけじゃありません。見捨てられたんです。この人にいくら相談してもむだだと思ったら、2回目はないんですよ。信頼関係ができると、また相談にのってと必ず子どものほうから来ます。子どもの相談にのるとき、いいかげんに相談にのらないでくださいね。はっきり言って、メモをとっている人ほどいいかげんです。メモの内容を読み返すと分かると思います。どうでもいいことをたくさんメモしているはずです。 実はこれは、逃げなのです。メモをとっているという逃げがあるから、メモをとっているという安心感があるから、相手の話や気持ちをちゃんと聞き取ろうとしていないです。表面上だけの言葉がただ聞こえている。そんなことをやっちゃだめですよ。ボールペンの先も生徒に向けてはいけません。ボールペンの先が向いているほうが攻撃している人がいる方向です。とがったものをどこに向けているかということですよ。普通は、とがったものって自分のほうに向けて置かなければならない。ハサミをとってと言われて、笑顔なんだけれども、刃を向けられたらどういう気持ちになりますか?とがったものは子どものほうには絶対に向けてはいけない。これは基本です。しかも芯もとじる、キャップもとじる。これでもう逃げはなくなりました。私は全部あなたのことを受け止めますよという意思表示です。

 たかがそれぐらいと思うかもしれませんが、それぐらいのことが分からなければ、本当に悩んでいる人の気持ちって受け止めることはできませんよ。自分中心に物事を考える人というのは、大体相手の方向にボールペンの先が向いているんですよ。ちゃんと小さいことでも気を配れる人というのは、自分のほうに向けてボールペンのとがった先を向けるんです。しかもキャップも閉じるんです。この段階で全部受けとめますよという意思表示なのです。生徒と話をする時、親とか先生は、「あなた」ってよく言うのですが、あなたという名前の子どもは一人もいませんよ。ひとりひとりに真剣に考えてつけた名前があるのです。名前で呼ばれれば呼ばれるほど、人間って同じことを言っていても私のために言ってくれているという気持ちになるのです。生徒の心を動かすためにも、これからは名前で呼ぶようにしたほうがいいかもしれないですね。

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