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生徒の相談の乗り方⑤

いじめられている子どもで、リストカット、自分の手首を切っている子どもはたくさんいます。人間は、本当に死のうと思ったら、リストカットという方法を使わないんですよ。飛び降りであるとか、確実に死ねる方法を使うんです。リストカットしている子ほど、実は生きていきたいんです。ただ、自分の心の悩みを誰にも話していません。そういう子は切るんですよ。手首を切ることによって、そこから血が出るでしょ?誰にも話せないことが、血として出ていくような錯覚を起こすんですね。

一度リストカットをすると、常習化します。麻薬と一緒なのです。一度やってしまうと、リストカットをしなければ、心のバランスがとれなくなって、どんどんリストカットのあとが増えていきます。リストカットのあとが30本以上あるような子どもが、わざとリストカットのあとを見せていることがありますが、信頼して見せているのではなく、先生が受け止める力があるかどうかを試しているんです。リストカットのあとがある子どもの相談に乗るときは、先ほどのように、まずは思っていることを全部紙に書き出させます。その後で「たくさん切りあとがあるな、大丈夫か、痛くないか?今日はこの赤いマジックで、今、切りたい場所があったら、そこに全部印つけてよ」と言います。何本も印をつける子もいます。生徒が話し始めたら、すべて共感して受けとめてあげてください。 人間というのはね、正論を言う人に心を開いているわけではありません。皆さん方だって、最終的に心を開いているのは正しいことを言っている人ではなくて、自分のことを分かってくれる人に心を開いているでしょ?相手の言っていることは分かるんだけれども、自分の考えを否定されたら、その人には人間というのは心を開かないんです。本気で自分のことを愛してくれて、自分の気持ちを本当に共感してくれる人には必ず心を開くのです。先生方は正論ばかり言おうとします。だから子どもの心を開かせることができないんですよ。

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