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【大学合格者ランキング2021】東大文系は公立高が躍進 日比谷、県立浦和、水戸第一では理系を上回る

5/25(火) 12:11配信 朝日新聞

全国一斉の長期休校、大都市圏では緊急事態宣言下で初の本番を迎えた大学入学共通テスト、一部大学の個別試験中止…と、異例ずくめだった2021年度大学入試。そんな「逆境」の中で合格実績を伸ばしたのは、どの高校だったのでしょうか。大学通信の安田賢治常務が解説します。(とくに断りのない限り、本連載の合格者数は、併願可能な私立大で複数の学部・入試方式での合格者を重複して数える「延べ合格者数」=解説はこちら https://www.asahi.com/edua/article/14336217 =を採用しています)

東大の一般選抜は、学部別ではなく科類別に行われている。文系は文科1~3類、理系は理科1~3類だ。前期課程(1~2年)では原則として科類別にクラスが編成され、外国語や情報処理、基礎講義などの教養教育が中心に行われる。後期課程(3~4年)で学部・学科に分かれ、本格的に専門分野を学ぶ。この「進学選択」制度(通称「進学振り分け」、略して「進振り」)により、多くの学生にとっては3年生からキャンパスも駒場から本郷に移る。

かつては医学部医学科へ進学できるのは理科2・3類のみといった制限があったが、2006年度の新入生から、制度上は全科類から全学部に進学できるようになった。文系の主な進学先学部を見ると、文1は法学部、文2は経済学部、文3は文学部や教育学部のほか、駒場にある教養学部(後期課程)への進学者も多い。

東大文系合格者数のトップは開成(東京)の49人だ。2位は麻布(東京)の43人、3位は聖光学院(神奈川)の40人だった。東京圏以外では4位の西大和学園(奈良)が36人でトップ、7位の灘(兵庫)が29人で続く。公立トップは5位の日比谷(東京)の34人だった。

2次試験数学の易化が影響か
トップ10では合格者数が減った中高一貫校が目につく。首位の開成は昨年に比べ13人減、8位の筑波大附駒場(東京)は19人減、同じく8位タイの桜蔭(東京)は10人減だ。そのぶん、公立高の合格者数が増えている。大手予備校によると、今年は2次試験の文系の数学が易しかったという。中高一貫生が得意な数学であまり差がつかず、数学が苦手とされる公立高生、女子の躍進につながったとみられる。

日比谷の文系合格者数は昨年に比べて15人増の34人だ。しかも東大合格者63人の半分以上を占めている。11位の埼玉の浦和・県立も昨年より7人増の24人で、全合格者46人の5割以上を占める。同様に22位の茨城の水戸第一も昨年より9人増えて13人が合格し、全合格者23人の6割近くを占めている。合格者が増えるだけでなく、全合格者に占める文系の割合も高くなっているのが特徴だ。東大の文系、理系の募集人員の割合は5:7だから理系のほうが多いのだが、上位の公立高では文系合格者が多いところが目立つ。

科類別にみると、文1トップは開成の25人、2位は筑波大附駒場の20人、3位は麻布の19人だ。文2は聖光学院が23人でトップ、2位は西大和学園の15人、3位は開成の13人だった。文3トップは日比谷の18人、2位は渋谷教育学園幕張(千葉)の14人、3位が西大和学園の12人で、共学校がトップ3を占めた。

安田賢治 大学通信常務取締役

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