しかし翌年、トーマスさんは大変なことに気がつく。ビットコインの入ったウォレットへの秘密鍵などを、「IronKey」というセキュリティ機能のついたUSBデバイスに厳重に保管しておくも、パスワードがわからなくなってしまったのだ。しかもこのIronKey、パスワードを10回間違えてしまうと、中のデータが完全に暗号化され、取り出すことが不可能になってしまうという代物。そしてトーマスさんは8回、思いつくパスワードを試してみたが開けられなかったようで、「ベッドに横になって落ち着いて考えてみました」「でもどうやってもうまくいかず、そのたびに深く絶望しました」と『New York Times』に当時を振り返った。