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長崎・高2自殺 いじめ「報告書に問題ある」 学校側改めて書面で見解 死亡報告書の経過に校長名で「不詳」

2017年4月に自殺した長崎県長崎市の私立高2年の男子生徒=当時(16)=の両親は命日の20日、長崎市本河内1丁目の亡くなった現場を訪れて冥福を祈った。また両親は、「自殺はいじめが主要因」とする第三者委員会の報告書を不服として受け入れていない学校側が、改めて同様の見解を書面で示したことを明らかにした。

 両親は遺影と花束を携えて現場を訪れ、静かに手を合わせた。その後、報道陣の取材に応じ、報告書の内容について学校側の見解が代理人を通じて書面で届いたと説明。それによると、▽自殺直後に学校が実施した生徒たちへのアンケート結果が反映されていない▽いじめと自殺の因果関係に論理的飛躍がある−などとして「報告書に問題がある」と指摘しているという。

 また、いじめなどで亡くなった場合に死亡見舞金を遺族に支払う独立行政法人「日本スポーツ振興センター」に提出された死亡報告書も学校側が開示し、校長名で「死亡までの経過」を「不詳」と記載していたことが判明したという。

 母親(47)は「亡くなって2年となり、何らかの結果を息子に報告したかったが、学校から届いたのは第三者委の報告書を認めないとの内容。誠実さを欠く対応が今後も続くと思うと息子に何と言っていいのか悩ましい」と話した。父親(51)は「『不詳』としか書かれていないのは息子が軽んじられているようで、ふびんで仕方がない。学校がこのまま『いじめが主要因』ということを認めないのであれば、法的措置も視野に入れざるを得ない」と述べた。

 また、学校側が第三者委に対し報告書の裏付け資料の開示を求めたが、第三者委側は調査に協力した人との信頼関係などを理由に応じなかったことが、20日までの複数の関係者への取材で明らかになった。

2019年4月22日 長崎新聞

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