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メンタル面からのアプローチ①

現代の日本社会では青少年もストレスにさらされている。親の別居や離婚、再婚などによるストレス、偏差値教育によるストレス、貧困生活によるストレス、虐待によるストレス、いじめによるストレスなど様々である。インターネットやケータイ、ゲームが青少年に与える影響も大きくなっている。親とゆっくり向き合って会話をすることも少なくなり、人間関係が希薄化し、自己表現がうまく出来ない若者も増えている。このような状況下で青少年の精神状態が不安定になってきているのである。そのようなストレスは、身体的症状や、精神的症状として現れ、不登校や問題行動など社会的逸脱行動に出る事が多い。青少年の問題行動は、その原因が乳幼児期、学童期の親との関わりの中にある場合が多い。青少年の問題行動を考える時、今の青少年の状況を考える前に、親が乳幼児期、学童期に子どもと正しい関わりをしてきたかどうかを思い返すことが重要である。青少年が問題行動を起こしても親が自分たちの子育てを振り返らなければ解決に結びつかないケースが多いのである。子どもは親を人間としてのモデルとして日頃から見習い成長していく。夫婦間の関係が悪かったり、会話がなかったり、隣近所との関わりが悪ければ子どもに悪影響が出て当然である。子どもだけではなく、親も含めてメンタル面からアプローチすることは今の時代、必要不可欠なことであると言える。ストレスが溜まった時や不安な時に、周囲に相談せずに自分の殻に閉じこもってしまうと、大事なコミュニケーションがうまくいかなくなり、周囲の人との関係もギクシャクしてしまうことがある。青少年の相談にのる場合は、その青少年の性格的な傾向をエゴグラムなどでつかんでおくことが望ましい。またその青少年に関わる周囲の者の養育状態なども把握しておくべきである。たとえば、不登校の青少年にアプローチする場合は、学校教育では勉強の遅れなど知的な面が優先されるが、メンタル面からアプローチをかける場合は、「なぜ欠席しなければならないのか?」など人間の情的な面が優先されるのである。青少年の相談にのる時に大切なことは青少年の出すわずかな信号でも見逃さずに受け止めることである。子どもは防衛機能が出来上がっていないため、大人から見ると異常に思える行動を取ることがある。不満や葛藤が起きると我慢が出来ないため、泣いたり、怒ったり、騒いだりと行動に移すのである。思春期以降になると自意識が出来てくる。つまり見られる意識が出てくるので異常と思える行動を取ることは少なくなる。しかし、見られる意識ばかりが強くなると自意識過剰になり対人恐怖症になるケースもある。また、我慢し過ぎる子どもはバランスが取れなくなり、様々な神経症として現れ、不適応症状でバランスを取ろうとするのである。このバランスの悪さが思春期に歪みが出る原因のひとつにもなるのである。メンタル面からのアプローチは信頼関係の上に成り立つと言っても過言ではない。大切なことは、相手の話にしっかりと耳を傾け共感すること。うなずくタイミングや豊かな表情も大切である。ありのままの相手を受け入れること。指導者ではなく援助者としての気持ちを常に持ち続けること。結果を急いで求めないこと。たえず、メモを取りながら相談にはのらないこと。メモばかり取っていると調書を取られている気分になってしまい、相談者の表情の変化にも気付くことが出来ないからである。否定的な言葉や相手を評価する言葉は避けること。相談が終了したら必ずその日の相談内容をまとめておき、次の相談日までに読み返し前回の相談内容を頭に入れておくことも重要である。相談を受ける場合の3つの手順は、

①信頼関係を作る
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をして問題を解決する。
である。

心理療法カウンセラー安川雅史のブログ

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