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壁際に座る日本人

広い四角いスペースの喫茶店で客がどこに座るか数日間に渡り実験したところ、連日、埋まっていく席は共通していました。まずは、窓際の席が埋まり、次に壁際の席が埋まり、最後に中央の広いスペースが埋まります。中央は席が空いていてゆったり座れるのですが、決まって隅っこの席に群がります。実験用のネズミを箱の中に入れておくと、ほとんどすべてのネズミが、壁際か隅っこにうずくまってしまいます。喫茶店での人間の席とりのパターンも同じ心理によるものと考えられます。例えば、暗闇の中を手探りで歩く場合を考えると、すぐ側に壁があるのと無いのでは、安心感に大きな違いがでます。隅の席は安心感を与えてくれます。壁際の席では、少なくとも壁の側には、自分を脅かす敵がいないという安心感があります。
人間は広くて単調な空間が苦手な動物です。ある空間では、自分がどこに位置しているかをわきまえ、他者に脅かされない場所を無意識に求めるそんな習性があります。電車でも両端に好んで座る人が多く、比較的空いているときは、カバンを自分席の横に置き、「ここから自分の空間である」と主張し、他者に脅かされない場所を確保しようとする心理があらわれます。

心理療法カウンセラー安川雅史のブログ

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