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「自撮りの「画像」LINEで拡散 浜松の女子中学生 進学断念」

 2017年4月18日(火曜日)中日新聞

「自撮りの「画像」LINEで拡散 浜松の女子中学生 進学断念」
断り切れず・・・送信
 
浜松市内の女子中学生が、無料通信アプリ「LINE(ライン)」でつながった同じ学校の男子生徒にわいせつな画像を送らされ、さらに複数の生徒に画像が転送される事件があった。女子生徒は不登校がちだったが転校も余儀なくされ、進学も断念した。専門家は「断れずに送ってしまう子は多い。大人には悪用の危険性を教える義務がある」と警鐘を鳴らす。
(松本浩司)
 
母親らによると、女子生徒は二年生だった2015年ごろ、同じ学校の男子生徒からラインで「友だち」申請を受け承認した。名前も知らなかった相手だったが、家庭や学校のことを相談した。
 やりとりは性的な内容も含むようになり、男子生徒はわいせつな画像を送るよう要求した。
 女子生徒は嫌がり拒んだが、「怒らせてはいけない」「相談内容を漏らされたら困る」と思い、16年1~7月ごろ、自宅でスマートフォンで自分を撮影した画像を複数回にわたって送信。その後、画像は男子生徒の友人三人に拡散された。
 県警は児童ポルノ禁止法違反(製造)事件として捜査。男子生徒は家裁に送致されたが、保護処分などは科されなかった。
 母親が異変に気付いたのは同年6月ごろ。スマートフォンの中のラインのやりとりは「親はどうしても気付けない。子どもも親には相談しづらい」と今でも頭を悩ませる。
 女子生徒は転校先の中学を卒業したが、希望した高校に転送を受けた生徒が進む可能性が分かって断念。現在は就職活動を進めている。
 母親は「男子生徒は、ラインのスタンプを送るのと同じ感覚で転送していた。娘はいとも簡単に傷つけられ、外出する時には『誰かに会うんじゃないか』とおびえている。男子生徒の親だってつらいはず。被害者も加害者もつくりたくない」と訴えている。


専門家「大人が危険性教えて」
 
インターネットが絡むトラブルに子どもが巻き込まれないよう、家庭や学校で大人はどう気を付けるべきなのか。ネット上のトラブル相談に応じる「全国webカウンセリング協議会」(東京)の安川雅史理事長(51)に聞いた。
 (カメラのついた携帯電話などで自らを撮影する)「自撮り」による被害相談は多い。画像を送るだけなら、という軽い気持ちからだ。一度送ってしまったものは、一生残るかもしれないし、どう悪用されるか分からない。その危険性を教えるのは大人の義務。
 頼まれたら断り切れず、「関係を切りたくない」と思ってしまう子どもも多い。特に不登校の子は、人とのつながりを欲しがる。ネットの中であっても、つながってくれる人を大切にし、自分のことを分かってくれると思い込んでしまう。
 「自撮り」は自分の部屋にこもってする。両親も携帯電話を使う場所をリビングに限定するなど、家族での取り決めが有効。有害な情報に制限をかける「フィルタリング」も大事だ。
 ラインは、知らない人とつながってしまう危険がある。友だちの「自動追加」や「追加許可」の機能をオフにする設定をすべきた。

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