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生徒との相談の乗り方②

こういうケースがありました。「先生、相談に乗って」と生徒が来て、その相談が終わらないのです。もう6時半を回っています。ほかの先生方はとっくに帰っています。すると、7時までに終われるかな?と先生は時計を気にするのです。子どもは敏感ですから、時計をチラッと見ただけで、「先生、時間がないの?」と言ってきます。
 さらに、職員室でケータイを出してメールしている先生が結構います。生徒はよく見ていますから、「先生、新しいケータイ買ったんでしょう。あ、そうだ、私、ケータイ持ってきているんだよね。ほかの先生に内緒にしていてね」とケータイを出して、「あ、そうそう。先生メルアドと電話番号教えて。何かあったら、先生に相談したいから」と言われて生徒に簡単に電話番号やメールアドレスを教える。自宅に帰って、ウトウトして寝ようとした頃に、生徒から「先生、寝られないの。てかね、今ね、手首切ってみたんだ。これってどれぐらい血が出たら死ねるのかな。なんか私もう生きていてもしようがないから、最後に先生の声を聞こうと思ってさ、電話かけたんだよね」と電話がある。そこで電話を切って、自殺されたら責任問題になってしまうと思って、朝方まで相談に乗る。すると、第2弾があります。「先生、ありがとう、この間は遅くまで。よかった私、先生の生徒でさ。そうだ。今日さ、映画の券を2枚持ってきたんだ。先生の分も。この間のお礼だよ。先生、日曜日一緒に映画に行こうね。ほかの子に内緒にしてね。先生の車の助手席に乗せて。私さ、先生の車に一度乗ってみたかったのよね」と。そこで断わって、また自殺未遂をされたら困ると思って、日曜日、車に乗せて映画に行く。はっきり言って、この段階でもう先生と生徒の関係ではありません。教師の枠を完全に踏み外しています。
 さらに、不安定な子どもというのは、今度は学校でほかの生徒がその先生と話しているのを見ているだけで不安定になるのです。「何を話しているんだろう。私の先生と」そうすると、今度は昼休みに職員室に来て、「先生、カッター貸して」「何切るの?」「すぐ終わるから、切ったらすぐ返すから、それ貸して」と言って、その借りたカッターでトイレの個室にこもって、手首を切って自殺未遂を図った子どもがいます。すぐ救急車が呼ばれました。一歩間違えれば、本当に死んでしまうような傷跡です。一生傷は消えないでしょう。命は大丈夫でした。その先生は、自分は生徒のために一生懸命やったと言い張っていましたが、方向性が違います。生徒のためにならない一生懸命です。学校として、やってはいけない行為です。まず、生徒の相談は極力学校内で時間設定してすべきです。

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