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いじめ放置の教員処分案、消える 対策法改正に遺族反発

いじめ防止対策推進法の改正案について、いじめが原因の自殺で子どもを失った遺族らから批判の声が上がっている。超党派の国会議員勉強会の座長・馳浩元文部科学相が4月に公表した改正案では、検討されていた「いじめを放置した教員の懲戒処分」「学校側がいじめ防止の基本計画を策定」などの内容がなくなったためだ。馳氏らは学校側の負担増などを懸念したとみられるが、遺族らは「誰を守るための法律なのか、考えてほしい」と反発している。

 「一体どちらを向いて法律を作っているのか。座長試案を見直してください」。いじめによる自殺で一人娘を亡くし、いじめ問題に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事の小森美登里さんは22日、文科省内で会見して訴えた。隣には、他の遺族ら5人が並んだ。

 19日にも、いじめ自殺の遺族ら43組の連名で、座長試案に反対する意見書が馳氏へ手渡された。2011年に中学生の子をいじめ自殺で亡くした父親は「学校のガバナンスができていなかったから、いじめ死が起きたと私たちは考えています」と語った。

 13年9月に施行された同法には「3年後の見直し」を検討する規定があるが、議員の勉強会が動き始めたのは昨年。総務省が同年3月、「学校がいじめの限定解釈をする事例が多い」として、文科省に対して改善するよう勧告したことを受けたものだった。

2019年4月22日 朝日新聞

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