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昼夜逆転改善法

不登校になって親にため息ばかりつかれたり、嫌な話題ばかりされたりするので、自分の部屋にこもってカーテンを閉めっぱなしにすることがあります。外から自分の姿を見られるのが嫌だとか、近所の人が自分の悪口を言っているという子もいます。これは、「対人恐怖症」です。人が怖いのではありません。人から自分がどう思われているのかというのをとても気にします。対人恐怖症の初期の子というのは、近所のコンビニには買い物に行けないのですが、絶対にここは知っている人に会わないというところへは行くことができる子もいます。しかし、この対人恐怖症というのは、だんだん悪化してきますから、最終的には本当に人が怖くなってくるのです。電車やバスなど、公共の乗り物にも乗れなくなったりします。子どもには、本当に周りの人たちが自分の悪口を言っているように聞こえるというのです。不登校の子どもには、この対人恐怖症が多いです。だから、カーテンを閉めっぱなしで、自分の姿を見せないようにするのです。カーテンを閉めっぱなしということは、太陽の光が入ってきません。皆さんは知らない間に太陽の光を浴びているでしょう。太陽の光をしっかり浴びている人は、精神的にも安定してきます。太陽の光を浴びることによって、人間の体内リズムというのは24時間に戻ります。人間は本来25時間サイクルです。午前中に太陽の光を浴びることによって、24時間にリセットできます。太陽の光を浴びないと精
神的にも不安定になってきます。太陽の光を浴びてない人ほど、不眠になりやすいと言われています。昼間は親と顔を合わせれば、ムスッとした顔で、もしくは引きつった顔で、学校や友だち、お金、将来の話題しか言われません。夜はと言うと、うるさく言う親も寝ていますし、心が落ち着くのです。子どもは精神バランスが崩れてきたとき、一時的にそのバランスをとるために昼夜逆転を起こします。人間というのは適応力というのがありますから、まずい状況になったとき、何とかそのバランスをとろうとして昼夜逆転というのを起こしているのです。ではどうすれば昼夜逆転を防げるかというと、昼夜逆転して自分の部屋にこもっていたとしても、必ず茶の間に下りてきたり、食事をとったり、ストレスもたまっているから喉も渇くので水分を補給したり、トイレに行ったりするわけです。そのとき、必ず親と顔を合わせています。本当に部屋から出てこなくなっている子も中にはいますが…。子どもが部屋から出たとき、親の表情をまず見て、話しやすそうか、話しづらいかというのを無意識に感じとっています。「目は口ほどにものを言う」と言いますけれど、本当に笑っているときの目というのは瞳孔が必ず大きくなっているのです。作り笑いではなく、心からの微笑みをいつも子どもに見せていると必ず、子どもの精神状態は安定してきます。学校でも、いつも優しい微笑みで生徒に接する先生に生徒は心を開きます。何かあったら、すぐに話したいという先生はいつもいい表情をしています。とにかく家庭でも、学校でも、いい表情で子どもに接することが大切です。何年間も親と話をしないような子どももいますが、毎日親がいい表情をしているだけで、だんだん氷は解けてきます。そして、子どもの表情がフッと和らいだときが話すチャンスです。何年間も子どもが話しをしなかったとしても必ず家庭の中での会話は復活します。今日は何となく乗ってくるなと分かったときに話しかける。どういう話題でもいいというわけではありません。子どもがニコッとしてくれたところで、「あんた、いつから学校へ行くの?」と言ってしまったら、もうおしまいです。子どもが必ず乗ってくる、子どもが興味を持っている話題を笑顔でしていくことが大切です。自分が得意な話題、話したい話題が必ずあるのです。そういう話題をふられた場合、子どもは目を輝かせて話をします。嫌な話題は見向きもしません。特に、こだわりが強い子どもは、自分の得意
な話題、例えばゲームの話題でもいいです。その話題を振られたときには、目を輝かせてずっと話をしています。例えば、子どもが野球のファンだ、楽天のファンだということが分かっていた場合、親もその野球の話をすればいいのです。ところが、親が野球のルールを分からないのに話をしていても、「裕、2時半からさ、楽天の試合あるよ」・・・「うん」で会話が終わってしまいます。ところが、親もちゃんと野球について分かっていて、楽天について興味をもっていれば、言葉のキャッチボールになるわけです。1つポイントがあります。子どもと話をしている親自身がウキウキしているかどうかです。親が無理しているなと少しでも思った段階で、子どもは100パーセント満足していないと思った方がいいです。中には、話しかけても返事が返ってこない子どももいます。特に会話をしない子どもほど、人の話を聞いています。学校でもそうです。先生が「おはよう」とか話しかけても、毎日「・・・(無言)」。そうすると先生の方も、「この子に話しかけない方がいいのかな。私が話しかけるのを嫌がっているのかな」と勝手に思い込んでしまうことがあります。結局、「おはよう」とその子にだけ先生が言わなくなった途端に、その子は不登校になってしまいました。実は、会話をしない子どもほど、先生の話を聞いています。反応できないだけなのです。反応できないことに、逆に自分でイライラしてしまうのです。家庭でもそう
です。安心して話しかけなければなりません。無表情の子どもに話していると思っては駄目です。その子は必ず聞いているのですから、いい表情で話しかけていくことが大切です。手紙を使った会話というのも大切です。例えば、子どもが昼夜逆転して、ご飯だけ出して先に寝てしまうような親もいます。これはまずいです。やはり、手紙を1枚添えておくようにして下さい。例えば、「裕へ。お母さんね、今日は裕の好きなカレーをつくったよ。今日は健康のことも考えて、ちょっとニンジンを多めに入れたけれど、裕の好きな辛めの味にしたからね。お母さんいつでも裕のこと考えているからね。冷めたらおいしくないから、レンジで温めて食べてね。お母さんより」と書いておきます。そうすると、同じ食べ物でも、味が違ってきます。手紙1枚がなければ、子どもは悪い方にばかり考えます。「お母さん、どうせ俺なんて産まない方がよかったと
思っているんだろうな」とか、「早く出ていけと思っているんだろうな」と思いながら食べている料理がおいしいと思いますか?料理の味なんて全くわからないでしょう。ところが、手紙1枚あると、「お母さんに心配かけているな。お母さん、ありがとう」と思いながら食べる。たかが手紙1枚で、人間の精神状態というのは全然違ってくるのです。さらに、手紙には子どもの名前を添えるべきです。あなたとか、きみ
とか、おまえとかでは駄目です。学校の先生方も、生徒には一人一人名前があるのですから、必ず名前で言ってあげてほしいのです。特に、親がつけた名前なのですから。手紙には、「裕」という名前を1回ではなくて、何回も連呼することによって、子どもは自分のことを特にしっかり見てくれているという気持ちになります。

心理療法カウンセラー安川雅史のブログ

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