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いじめの被害者の心理状態

いじめの被害者は、いじめられているという現実を認めたくないので、嫌な現実を心の奥底に押し込めてしまうことがあります。心の奥底に押し込めた感情は、発熱や腹痛、頭痛、吐き気などの身体的症状として、あらわれる事がよくあります。場合によっては、現実逃避から記憶喪失のような状態になってしまい、嫌な現実だけを忘れてしまうことさえあります。しかし封じ込めた嫌な出来事は、睡眠前のうとうとしている状態のときに、急に思い出してしまい、心が不安定になり、寝付けなくなったり、熟睡できなくなったりします。また、嫌な夢ばかりみて、心が落ち着く時がなくなり追い詰められてしまうこともあります。いじめを受けた子どもは、いじめられている事を親に言わないことが多いものです。親に言うと、親から先生に伝わり、先生がクラスで話すことにより、余計にいじめがエスカレートしたり、自分が余計にみじめになり、完全にクラスの中に自分の居場所がなくなるのを恐れるからです。また、親に言えば、「あなたにも原因があるんじゃないの?」などと言われ、更に心に傷を負うんじゃないか?と考えてしまい、いじめの事実を心にしまいこんでしまう子もいます。また子どもにもプライドがあるので、身近にいる親にだけは、自分がいじめられていることは知られたくないと思っているのです。どんなにいじめが酷くても、親には心配をかけたくない、とか、親を悲しませたくないと思っている子どもも多いです。いじめの被害者は、いじめという現実から逃れたい気持ちがあります。自分がいじめられている事を現実として認めたくないので、いじめを受けている子どもは、心に大きな傷を抱えているにも関わらず、親の前では何事もないふりをしてしまいます。いじめられている子どもにとって、自分がいじめられている事を親に話すという事は、いじめが現実に起こっている事として認める事になってしまうからです。

心理療法カウンセラー安川雅史のブログ

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