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ネットで出会いを求める子ども

ベネッセ教育総合研究所では、2014(平成26)年2月~3月に、全国28の中学校・高校の中学1年生~高校2年生9,468人を対象に、ICTの利用実態・意識に関する調査を実施しました。インターネットで知り合った人がいる人(ネット利用者の約4分の1)のうち、直接会った経験のある人の割合は、中学生23.6%、高校生34.7%との結果が出ました。中学生の約4分の1、高校生の約3分1の生徒がネットで知り合った人と実際にあっている計算になります。知り合ったきっかけは、中学生ではLINEなどのグループ、高校生ではツイッターが多くなっているとの結果が出ました。

ネットで知り合い、一度も会ったことがない相手を簡単に信じて会いに行ってしまう子どもたち。性別も年齢もごまかせるネットの世界。ネット上では、いくらでも優しい人を演じることもできるのです。
ネット上では他人の画像を使っているケースも少なくありません。14歳の同級生のイケメンが来ると思いこんでいたら、40代後半の小太りのおじさんが現れ、「息子が急に具合が悪くなり、代わりに迎えに来た。息子の所まで送っていく」と言葉巧みに少女を誘い、車で少女が強姦されました。高校2年の女子生徒がネットで知り合った相手に大量の覚せい剤を打たれ死亡するなどの事件もありました。ネットで知り合った相手に会いに行くことは大変危険な行為で、取り返しがつかないことになることもあるのです。
2012年7月には、LINEを通して知り合った少女(17)に睡眠薬を飲ませて乱暴したとして、 準強姦容疑で 32才の無職男性が逮捕。2014年6月 には、熊本県人吉市の17歳の女子高生がネットで知り合った47歳男性に殺害されました。

人間は、面と向かって話をしていても、信頼関係ができるまでに相当の時間がかかります。
ネット上のやりとりだけで人を信じて会いに行くことがどれほど危険なことか子どもたちはわかっていません。とくに共通の趣味や、同じファンクラブの人を信じて会いに行くケースが多く、強姦されたり、その様子を隠し撮りされて脅されたりするケースもあります。
10代にとって“ネット”と“リアル”の境界線は急速に曖昧なっていると言えます。自分には関係がないと思っている子どもが一番犯罪に巻き込まれやすいと言えます。命は一つです。親や教師がしっかりと子どもたちにブレーキのかけ方を教え、ネットで知り合った人を簡単に会いに行くことを食い止めなければなりません。もし教え子が犯罪に巻き込まれたり、命を落とすことがあれば教師は一生、後悔することになるのです。様々な事例を出しながら、生徒ひとりひとりに考えさせ、生徒の心に響く指導をしていくことが大切です。

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